恋愛の先に求めるものは?

  • 2017/2/8

恋愛は人それぞれである。出会ったときの第一印象から惹かれることや、時間が経つうちに気持ちが芽生えることもある。もしくは気持ち関係なしに恋愛対象の性別であればとりあえず試そうとする人もいる。ここでは、恋愛において気持ちを重視することを前提として、恋愛というものを少し哲学的に原点から考察してみたい。

人と人が互いを理解し尊重し合い、場合によっては譲歩しながら同じ時間を過ごす。誰かを好きになり、また相手にも同じ気持ちがあるということは実は非常に難しく、すごいことである。

・そもそも恋愛するとはどういうことか
何のために人は特定の相手との間に関係を作ろうとするのか。私たちはメディアの影響を多く受けすぎているように感じる。恋愛とはこういうもので、こうするべきだという固定観念が人々の間に存在するように見える。もしくはシナリオのようになっていて、あたかも正しい恋愛の仕方というものが存在するかのようだ。

・友人と恋人の違い
恋人には何を期待するのか。共通の趣味があり、どんなに気が合っても友達としてしか見られない人がいる。その人が恋人になれるかどうかは、その人に対しての距離感の許容範囲にあると考えられる。つまり、物理的に体と体の距離が近いことに嫌悪感がないかである。どんなに仲のいい友達だとしても、キスをしたいかと問われると、そうではないと思う。相手に触れたい、もっと言えば性的な関係を求めるか。
それでは、恋人はただ単に体の関係を求めるだけの相手なのか。決してそうではない。気持ちの面で、恋人は、自分と同じ、もしくはそれ以上に大切に思える存在であるべきなのだ。自分以外の人間を操作することは不可能だが、それなしでも共通の認識がある必要がある。
人は生まれた場所、育った環境や経験、性質はそれぞれ異なり、そのため価値観や考え方、意見、過去やこれから望む未来もみんな違う。それを誰もが認識するべきだと思う。何が普通だとか、周りの多くの人がそうだからとか、それが正しいとされる基準は何の根拠もない。
相手に好かれるように相手の好みになろうと努力する人もいる。それはそれで良いが、人がもとの性質を変えることはなかなか困難なのだ。偽った自分を好きになってもらうことほど苦しいことはない。仮にその努力が見た目に関してのことだとしても、相手は見た目にしか注目しないのかという疑問がある。価値観の一致は恋人にかかわらず、人と長く良好に付き合う上で基本である。

・恋愛に悩みを抱える
夢中になっている人がいる、振り向いてもらいたい、付き合ったはいいけど関係維持に不安がある。多くの人は恋愛に関して悩みを抱える。
多くの人が抱える悩みの原因には共通していることがある。それは、相手に自分の正直な気持ちや意見が言えないことからくる。相手に要望や不満が言えないことは、相手が傷つくのを恐れたり、相手に嫌われたくないと思ったりするからである。もちろん世間には、ついて良い嘘と悪い嘘があり、時には良い意味で気持ちを隠すことはプラスになりうる。しかし相手に言えないことが多くなると自分が耐えられなくなる。そのはずみで、真実を伝えないまま相手にぶつかり、相手もそれに関してよく理解できないまま不満を抱くことになってしまう。いくら悩みを自分で考えて、他人に相談したとしても、その本人に直接伝えない限り何も起こらないし、変わらない。仮に正直に伝えてそれに理解が得られなかった場合には相性が合わないと考えるのが妥当である。片思いの相手でも長く付き合っている相手でも同様に当てはまる。なぜ、正直に言うことで関係に問題が生じてしまうことを恐れのある相手と一緒にいようとするのだろうか。中には、相手にあまり気がないのにカップルという関係を築き、恋愛ごっこをしているような人もいる。恋愛ごっことは、彼氏と彼女という名をとりあえず名乗り、世間的にカップルであることを示したいがためにそれらしい行動をとることである。そこに本当に気持ちがあるかは分からない。つきあうという関係は何かの途中段階であるように聞こえる。つきあって互いを試したうえでの目的があるはずである。

・恋愛の先にあるもの
誰かに片思いした人は、その人にも同様に好きになってもらうことを目指す。恋人になったとして、その先にあるものは何だろうか。そのまま維持し続けることだろうか、それとも結婚することだろうか。なぜ男女が惹かれ合ってペアになるのか。人間は自分の人生を自分で考えて決めることができる。人間以外の動物は繁殖をすることに自分の一生をかける。なぜ生き物が子孫を残そうとするのかについてはここでは置いておいて、動物はみな性別があり、生殖ができる体を持っている。そこから考えると、男女が恋愛関係になる先にある目的には子孫を残すことであると言えてしまうのかもしれない。恋人を得ることは、それまで自分のためだけであった責任を自分以外の人間にも置くことになり、慎重な選択が必要になるだろう。

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