アルバイト体験記「巫女」「ミステリー・ショッパー」

  • 2016/11/11

ひと月にあと、一万円多かったら。もしくは、副業するつもりはないけれど、連休の間だけ働けないかしら。そんなふうに感じることはありませんか。
正直なところ、時代も良いとは言えないですし、将来に対して不安はつのるばかり。
じつは、筆者も二十代のころは、ずっと転職を繰り返してきました。また、その間に、単発の仕事もたくさん体験しました。おそらく履歴書を1000枚は書いたとおもいます。その中で、忘れられない二つのアルバイトをとりあげました。

 「巫女」(日給五000円)
友人の紹介で、年末・年始と週末だけ神社の「助勤巫女」として奉仕しました。(常勤は本勤巫女と呼ばれます)
助勤とはいえ、本当に、あの白装束と緋袴をまとい、お守りを授与したり、結婚式で、鈴を持ち「うらやすの舞」を奉納するのです。
ただ、見た目とは裏腹に体力仕事。野外で働くことが多く、寒く、くちびるは、ワセリンを何重に塗ってもひび割れるし、手足はあかぎれと、しもやけで腫れあがります。それでも、コスプレ願望が満たされ、お供えの「酒」や「野菜」などのお土産もいただけて、貴重な体験になったとおもいます。

 「ミステリー・ショッパー」(日給八000円)
求人誌で知った「感想文作成ライター」に応募すると、ふられた仕事がこの「ミステリー・ショッパー」でした。
まず、スーパーやデパートに、一般の客を装って行きます。そして、店内の商品を見ているふりをしながら、販売員の笑顔やお辞儀の仕方、言葉づかいなどの接客全般を、片っ端からチェックしていきます。そして、気がついたことをレポートにまとめて提出しました。
はじめは、緊張しますが、回数をこなすたびに、何だか映画『007』のボンドガールになったようで、達成感がありました。大きな声でおしゃべりをしている店員の名札を、それとなく確認してメモを取ったり、あえて難しい質問をしたり、うしろめたい気持ちがある反面、「獲物をつかまえた」ハンターの心理に近いものを感じるのです。
さらに副産物として、その後、自分がサービス業に就くと、わかるんですよね。この「スパイ」が送り込まれてくると見破れるものです。
だから、あえて、若い刺客に、ひるまず逆に目をあわせて、しっかり笑顔で威嚇しておきました。

働かなくても、生活に不自由しなければ、本当は、それが一番幸せなのかもしれません。けれども、働くことで得られたのは「お金」だけではないのかもしれません。

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