飲むことができる白い神様 甘酒

  • 2016/11/14

「飲む点滴」と呼ばれて、若い女性たちの間でもひそかにブームになってる「甘酒」。
体をあたためる効果にすぐれているため、本来なら秋冬のイメージですが、歳時記をひもとくと「夏」の季語に指定されています。

これはちょっと意外ですが、そういえば、旅先で入った駄菓子屋に甘酒のアイス・キャンディーを売っているのを見たことがあります。俳人にとって甘酒が夏の句なのは不自然なことではないのかもしれませんね。もちろん、舌とのどを喜ばすためだけではなく、甘酒が夏に良く飲まれるようになったのには理由があるのです。 

現代の夏といえば、こども達はプールに入ったり、蝉を捕まえたり、アクティブに動きまわるのが楽しい季節になりました。
空調の発達により、梅雨のシーズンになっても革ジャンを羽織ったり、ブーツを履いている方も見受けられます。

ところが、江戸時代の夏はけっして愉快な時期ではありませんでした。それどころか、むしろ忌まわしい季節として倦厭されていました。その理由は、気温が上がり湿度も上昇する暑い時期がくると、「食集毒」や「疫病」が増えてくるからです。なにしろ冷蔵庫もエアコンもない時代ですから、高温多湿の日が続けば小さなこどもや病人は、いのちにかかわるかもしれません。よって当時の人びとにとって「夏」はさまざまな危険から身を守るのが先決で、とても遊びたいようなうかれた気分にはならなかったことでしょう。
全国各地で「祭」の多くが夏に行われるのは、その影響です。神事をとりおこない、何とか元気で無事に乗り切ろうとしていたのですね.。

そんなときに「甘酒」はおいしく栄養満点のスペシャル・ドリンクだったのかもしれません。
ビタミンB群のほかに、「アミノ酸」や「ブドウ糖」「米糀」「食物繊維」といった疲労回復に即効性がある栄養素が満点のため、「夏バテ」対策として認められていたのですね。その上、甘酒は発酵食品ですから「便秘」や「冷え性」にも効果が期待できます。

もしも甘いものが苦手な方は、「白米」ではなく「玄米」からつくった甘酒を選ぶと、すっきりとした大人の味わいが楽しめます。
コクがあり、それでいてまろやかでそんな甘酒をひとくち飲むと、懐かしいようなほっとした気分になれます。アルコールやカフェインが入っていないのでお休み前にも安心していただけますよ。
数百年前から重宝されてきた「甘酒」は、飲む「神様」なのかもしれません。

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