「心の花の物語・前編」タロット占いストーリー

  • 2016/5/19
シャボン玉

人それぞれ、様々な心模様があることを、貴方はどんな時に感じるでしょう。
これから自分の心に咲く花を、見に行きましょうか・・・

「霧の中の花」

ユウは人間不信に陥っているということを自覚していましたが、その理由の大部分は他人の言葉のキツさにありました。
無自覚に使われる言葉の中には、線引きとも言える境界線が、縦横無尽に引かれていて区別や差別、そしてその中でも競争があり、ユウにとってはその鋭い言葉のやりとりが耐えられなかったのでした。
ユウが好きなのは読書で、その中でも「秘密の花園」という児童文学小説が好きでした。

読んでいる内に、もしかしたら自分の心の中にも、蔦で覆われた扉の向こうに花園があるのではないかと思うようになり、もし自分がその花園の中にいるとしたら、どんな風景が見えるだろう・・・そんな想像をするようになったのです。

ユウは一番中央の、美しい噴水のある庭園に、自分だったらどんな花を植えるだろうと考えました。
春・夏・秋・冬。いつの季節に咲く、どんな色の、なんという種類の花だったらいいだろう。

ところが、どんなに考えても、自分の花園に似合う花が見えてこないのです。
まるで霧の中にいるようで、そのうちにユウは、他の人の花園だったらどうだろうと考えるようになりました。
大好きな物語の、あの主人公ならどんな花?それとも昔好きだった彼だったら・・・
あの人なら花じゃなくて、白樺の樹かもしれない・・・

そんなことを想像しているうちに、気がついたのです。
私は人間が嫌いなのではなくて、ただ表面の言葉で武装している人が嫌いなだけだったのだと。

ささくれだって幹も割れて、枝もまるでねじったようにみえる恐ろしい形相の樹にも若葉も花も咲くのです。
何が違うのでしょうか?
ユウはそこでまた、行き詰ってしまいました。
そういう恐ろしげな樹や折れた花でも、他の茎や枝から花は咲く?
何故だろう・・・
それは素敵なもの?それでいいの?どうしてそんな風になっても生きていられるのだろう。

ユウは小説や物語の世界で答えを探しています。
そこにも人間の想いが沢山詰まっているから。
自分が人とかかわれないとしても、物語の中には自分と同じような人間もいるのです。
でもいつも、物語の最後で思ってしまうことがあるのです。

やっぱりこの主人公も自分と同じではないのだ、と。
森林
・・・ここから、ユウの新しい物語が始まります。

きっと「世界にひとつだけの花は自分が育てている。」のですね。
そんなお話です。

・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・

(このお話は、全てフィクションであり、実在の人物・団体等のことではございません。)

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