雨が効果的な映画たち
- 2016/5/19
雨を題材にした映画は数多あります。
忘れ難い余韻を残す、雨、の映画たち。
アクティブな毎日を送る現代女性が増えました。
とはいえ、避けては通れないrainny season.
しとしと雨音を聞きながら室内で映画鑑賞というのも心落着いていいものです。
雨に唄えば(Singin’ in the Rain)
1952年公開のミュージカル映画。
“雨”の映画と言えばやはりまずはこれでしょう。
どしゃ降りの中で、歌う、踊る(しかも上手い!!)軽妙な空気感に雨の日のどんよりした気持ちが晴れてくる一本です。
シェルブールの雨傘(Les Parapluies de Cherbourg)
1964年のフランス作品。第17回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したすべてのセリフにメロディーがついたミュージカル映画です。
フランス北西部の港町シェルブールの傘屋の娘ジュヌヴィエーヴは恋に恋するお年頃。
悲恋映画のひとつですが、同時に反戦映画としても深く、物悲しい一本です。
主演のカトリーヌ・ドヌーヴも可愛いし音楽も素晴らしいので、ミュージカルタッチに照れつつも、映像と音楽を楽しめる作品といえます。
ショーシャンクの空に(The Shawshank Redemption)
1994年公開のスティーブン・キング原作のアメリカ映画。
容赦ないほどの失望のなか、それでも希望を捨てなかった主人公アンディーの雨の中の解放感が一線を画している秀作です。
まるで、辛かった日々の声なき声を、雨が浄化してくれるような感動的な雨です。
ブレードランナー
ハリソンフォード主演1982年公開の雨は雨でも“酸性雨”の降る映画です。
マディソン郡の橋(The Bridge of Madison County)
1992年発売のベストセラーでありロングセラーにもなった小説の映画版。
不倫映画でしょう。と、ばっさり切ってしまわないで。
メリル・ストリープ演じる平凡な主婦の、人生最大の葛藤と理性。
豪雨の中でのこのシーンは、胸にせまるものがあります。
羅生門
言わずとしれた、芥川龍之介原作の小説を映画化した1950年の黒澤明監督作品です。
もう、どしゃ降りです。モノクロ撮影の時代、黒澤監督は迫力のある雨を撮るために水に墨を混ぜて、ホースで降らせているのです。
ラストの雨の上がるシーンを際立たせるように、もう、どしゃ降りなのです。
同じく黒澤作品、七人の侍も有名な雨の決闘シーンがありますね。
なんと、真冬の撮影だったという雨のシーン、役者さんや、スタッフの方々の気迫が伝わってくる、雨映画です。
雨あがる
2000年公開の時代劇です。長雨で川を渡れなくなった武士と妻の物語。
読後感のよい本を読んだあとのような、爽快感を引き出す、雨なのです。
雨(Rain)
なかなかよい役にめぐり合えなかったジョーン・クロフォードの出世作であり代表作ともなっています。
基になった小説はサマセット・モームの有名な小説“ミス・トンプソン~雨~”で、舞台化され沢山の女優が演じてきたトンプソン役を映画化にあたりジョン・クロフォードが射止めます。
副題であった~雨~をメインタイトルに変更しての1932年の映画です。
冒頭、入道雲、椰子の木、そして海・・と南の島の景色ではじまり“THE RAIN “とタイトルがでます。
この撮りかたで、観る方はぐっと引き込まれていくのです。
怖い女を演じられるのは、女優として最大の幸福なのかもしれませんね。
黒い雨
今村昌平監督の、悲しい映画です。
原爆投下後に降りそそいだ、黒い色をした雨を題材にヒロシマの悲劇を描いています。
いま、会いにゆきます
~雨とともに訪れた6週間の優しい奇跡~とありますようにまさに、梅雨の季節の作品です。
独特の湿度、しっとり感をシンクロさせながら観るのにぴったりの作品です。
となりのトトロ
雨そのものを取り上げた作品ではありませんが、エッセンスとしての雨、ドラマチックさを盛り立てる重要な役割をしている雨のシーンが印象的です。丁寧に日本の雨を表現するとこういう感じなのかと舌を巻く思いがします。明日は傘におちる雨音も愉しんでみたい、そんな気持ちになるのです。
今回はお近くのレンタルビデオ屋さんに必ずあるであろう“雨映画”をいくつか振り返ってみました。
叙情あふれる雨の風景、音、湿度感は映画の名脇役として、私たちの記憶を深くする効果的な俳優ともいえるかもしれません。