アットホームなアメリカの結婚式 – ミシガン湖を見渡す小さな別荘地にて

  • 2016/9/26

ミシガン湖を見渡す小さな別荘地にコテージを持つ甥アンディの結婚式に出席しました。当初は別荘のプライベートビーチで式を挙げ、披露宴はゴルフクラブの会場という予定でしたが、残念なことに当日激しい雨に見舞われ、ビーチでの式は急きょゴルフクラブに変更になりました。

セーラとアンディは大学時代の同期生。30歳を目前にエンジニアとして働く彼女と図書館の司書であるアンディと4匹の犬の新しい人生のスタートです。
ブライドメイドと呼ばれる花嫁のベストフレンドが5人と、ブルームメイドと呼ばれる花婿のベストフレンドが5人立ち合い人になりました。セーラは母親から受け継いだという純白のウエディングドレス、彼女のベストフレンド達は全員セーラの大好きな薄紫色のドレスを着ていました。アンディとベストフレンド達はお揃いの白いシャツに黒のパンツ、ネクタイなしというドレスコードで胸には薄紫のコサージュ。

式場に出席者全員がそろった後、愉快な音楽とともに花嫁花婿が笑顔いっぱいに入場、次いでベストフレンドと犬たちがおどけながら入ってきたり、可愛いドレスを着た3人の小さなフラワーガールが花をまき散らしながら入場してきて、笑いのあるすごくリラックスした雰囲気でした。アンディの友人でもある若い司祭が、厳かに二人の誓いのことばやリング交換をしたあと誓いのキスで締めくくり。その後参加者165人が列になって順番に二人に祝福の言葉をかけていき、それから夜中まで続く披露宴会場へと移動しました。

レセプション会場には中央に2段の雛段があり、花嫁花婿を中心にベストフレンドが座ります。当然仲人も司会者もなし。ベストフレンドの合図であっさりと乾杯をしたあとベストフレンド代表の二人が、面白おかしくスピーチをして会場を沸かせました。そのあとは会食へ。雛壇の反対側にずらりとご馳走がならんでおり、セルフサービスなので好きなものを好きなだけ何度でもいただきます。前菜、スープ、パン、ライス、チキン、ビーフなどがてんこ盛りになっていました。次々にフレッシュな料理を運んでくる他に給仕はいないので、花嫁花婿も自らセルフサービスです。飲み物やデザートは式場の左右別々のブースにあり、好きなものを飲み放題食べ放題という感じ。ドリンクバーではチップを入れるようになっていました。

しばらく歓談しながら食事をした後はこれといった歌や芸の披露もなく、キャンドルサービスもなく、花嫁はドレスを着替えに立つこともなく、皆と飲んだり食べたり話したりと自由に過ごしていました。もちろん引き出物もありません!人々はあちこちに移動して暫くぶりの親族や友人との会話を楽しんでいました。

セーラとアンディが別々に話し込んでいたりすると、どこからともなくグラスを叩く音が聞こえどんどん大きくなっていきます。これは二人にキスを求める合図で、そうするとセーラとアンディは近づいてきてキス。何度も何度もグラスが鳴り響きました。

それからあとは夜中まで人々は踊り続けます。音楽は若者向け、子供向けからお年寄り向けまで様々なものがかかり、小さな子もお爺ちゃんお婆ちゃんも楽しそうに踊っていました。明かりもだんだんと薄暗くなっていきスポットライトになったころ、アンディと母親のダンス、セーラと父親のダンス、アンディとグランマ、セーラとグランパのダンスなど見事に楽しそうに踊っていました。ただセーラの父は涙を拭きながら踊っているのを見ましたが。

恒例のケーキカットがありましたが、巨大なものではなく店で売っている普通サイズの丸いケーキ。2段になっていて可愛い飾りが施されていました。カットしたケーキをお互いに食べさせあう儀式の後、花嫁が投げたブーケを未婚女性が奪い合ったり、花嫁の付けているガーターを花婿が脱がせてそれを投げて未婚男性が奪い合うという一連の儀式があり、涙が出るほど笑い転げながら楽しみました。

気になる結婚のお祝いですが、二人は新婚生活に欲しいものを好みのショップにオンラインで登録しておきます。招待状に同封されてくるギフト・レジストリーを見た参加者は、オンラインで自分の予算に合ったギフトを買ってあげると、店から直接二人に送付されるというものです。二人の本当に欲しいものが手に入るのでとても合理的です。会場のテーブルにはカード用の小さな箱があり、小切手やカードを送る人もいたり、ギフトを持ち込む人もいます。参加者が全員サインするノートもあり、アンディの趣味バイクのパーツを持ち込んでそれにサインする人もいました。

ダンスを見ていてギョっとしたのは、二組のゲイがキスをしながらイチャイチャと体を寄せ合って踊っていたこと。義従弟のジェイは私にもショールをまとったゲイのパートナーを紹介してくれました。悪びれることもなく、それを両親や周りもすんなり受け入れていたり、同性愛者が差別もなく暮らせるのはさすがに自由の国アメリカ、太っ腹な大陸性だなと感じました。

夜の11時まで6時間もダンスだけで盛り上がるアメリカン、妙にしんみりとなる瞬間もなくひたすら笑い続けるアメリカン。人種の違い、文化の違い、考え方価値観の違いなど頭では解っていたものの更なるカルチャーショックを受けた私でした。無駄を徹底的に省き、合理的に生きるアメリカンを見習うところはたくさんあると思いました。形式よりも中身で勝負、義務感よりも自分の価値観を大切に生きるアメリカンです。本音と建て前のないアメリカン、本当の人生の楽しみ方を知っているアメリカン。「人生を生き抜くこと」を再び考えさせられた楽しい結婚式でした。

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