新聞でよく見る「デリバティブ」って何のこと?
- 2015/8/4
デリバティブとは
金融に関するニュースを見ていると、デリバティブ(金融派生商品)という言葉が出てくることがあります。デリバティブとは金融商品の一つなのですが、その仕組みの複雑さから一般人にはよく分からないものだと思われています。デリバティブとはどのような商品なのでしょうか。
デリバティブとは、基礎となる商品の価値によって相対的に価値が決められるような金融商品のことです。デリバティブにはいくつかの種類があり、「先物取引」「スワップ取引」「オプション取引」があります。これらは将来のある時点で商品を売買する予約取引を行なうという共通性をもっています。
デリバティブの役割
例えば穀物を生産し出荷している農家は、その穀物を販売するときに価格変動のリスクを負うことになります。穀物価格が安くなっていれば、それだけ売り上げが減ってしまうため、そのリスクを回避したいと考えるのが一般的です。
そこでその価格変動のリスクを引き受けて商品にし、市場参加者に販売することで、穀物業者はリスクを回避することができるのです。リスクを売った業者は、もしも値上がりする方に価格変動した場合、その分の利益を得ることはできませんが、安定的な事業を行なうことができます。またリスクを引き受けた投資家は、その商品が値上がりすれば利益を得ることができるため、投資する価値があります。参加者全員にメリットがあるのです。そのようなデリバティブには、いくつかの特徴があります。
差金決済
デリバティブの特徴の一つに「差金決済」があります。これは決済期限日までに、反対取引と行なって、商品ではなく売りと買いの差額の受け渡しによって決済する方法です。金融商品によっては差金決済が禁止されていることもありますが、デリバティブでは差金決済が主流です。
差金決済ができるということは、それだけレバリッジがきくということです。つまり原資よりも大きな取引が可能になります。
証拠金制度
さらに取引所に一定の証拠金を入れておくだけで取引できる「証拠金制度」という特徴もあります。証拠金は予約金額の数%だけでいいため、少ない資金で大きな取引が可能になります。ハイリスク・ハイリターンの手法です。
デリバティブの種類
デリバティブと一口に言ってもいくつかの種類があり「先物取引」「スワップ」「オプション」の種類があります。それぞれ複雑な仕組みになっているため、これらについてはまた別に詳しくご紹介しましょう。
また対象となる商品によって「債券デリバティブ」「金利デリバティブ」「天候デリバティブ」などまで多様なものがあります。これらも債券や金利の変動や天候の変化のリスクを商品化しているのです。