「景気」ってどういうもの?
- 2015/6/5
景気とは
日常会話の中で何気なく「景気がいいね」とか「最近景気が悪くて」と使う人は多いのではないでしょうか。しかしその「景気」とはどういうものなのか、ということは意外と知られていません。
景気とは経済活動の活発さをさす言葉で、企業の活動が活発で売り上げが伸び、賃金が上がり、消費も活発になることを「好景気」といいます。逆に消費が落ち込んで企業の売り上げも鈍化し、企業の活動が弱くなっていることを「不景気」といいます。
景気の波の4種類
景気には流れがあり、永遠に伸び続けたり、下がり続けたりすることはあり得ません。常に上昇したり下降したり、という波を繰り返しています。これを「景気循環」といいます。そしてこの景気循環には循環の長さによって4つの種類の波があることが、経済学者によって発見されています。
1)キチン循環(約40ヶ月)
一番短期間の循環がキチン循環です。これは企業の在庫投資の増減によって起こる波です。企業は好況が続くと、製造する商品の数を増やしていきます。しかしどこかで需要より供給の方が大きくなってしまいます。このとき企業の倉庫には在庫が積み上がることになりますが景気が下り坂になると、需要がどんどん少なくなり在庫は増えていきます。しかしこれもいつまでも続くわけではなく、どこかでまた需要に供給が追いつかなくなるポイントがきますので、そこで在庫が売られていくと再び製造数を増やして好況の波にのっていきます。これがキチン循環の仕組みです。
2)ジュグラー循環(約10年)
次が中期的なジュグラー循環で、これは企業の設備投資による循環だとされています。企業が古い設備を新しく作り直すために投資を増やし、設備の需要が増加することによる景気の変動です。
3)クズネッツ循環(約20年)
クズネッツ循環は20年もの期間があります。建築物に起因する循環だとされています。建築物は20年を超えると建て替えたりリフォームしなければならなくなるため、その需要の増加によって景気に波が発生します。
4)コンドラチェフ循環(約50年)
最後のコンドラチェフ循環ですが、これは約50年という長期の景気循環です。50年周期で技術革新が起こり、それが景気の波を生み出すという考えです。
景気に関する指標
これらの景気循環は、その因果関係に明確な根拠があるわけではありません。しかしこれまでの歴史を見るとだいたいそのようになっている、と言えます。しかし現代では技術革新の早さは早まり、建築物や設備投資の入れ替わりも早まっていると考えられるため、景気の波についての研究は今後大きく変わっていくかもしれません。
景気の動向は、「景気動向指数」「景気ウォッチャー調査」「消費動向調査」「消費者物価指数」などの指標や調査から判断することができます。簡単に調べることができますので、興味を持った方は見てみると面白いかもしれません。