切ないオルゴールのようなミュージカル映画La La Land(ララランド)
- 2017/2/15
ミュージカル映画「LA LA LAND」を見てきました。
恥ずかしながら見に行くまでこの映画のことを全然知らなかったのですが、作品自体も出演俳優陣もアカデミー賞やゴールデングローブ賞などをはじめいろんな賞を獲得して、世間の評価も高い映画だったようです。脚本、監督は「セッション」の監督デミアン・チャゼル、主演はライアン・ゴズリングとエマ・ストーン。
みなさんはミュージカル映画はご覧になりますか?
サウンドオブミュージック、オペラ座の怪人、雨に唄えば、シカゴ…私が個人的に好きなのはこのあたりなのですが、こうして挙げてみると、楽しい・美しい・華やか・艶やか・ドラマティック・最後はハッピーエンドもしくは希望の光が見える。そんな感じの展開が好きなんですね。ええ、宝塚とかけっこう好きです(笑)
さて、そこをいくと「LA LA LAND」は楽しいシーンもあるけど全体的にしっとり。夢を追う大人の男女の恋愛を、オルゴールのように切なく細やかに、でも色鮮やかに描き出した作品だと思いました。
ところで、これを見たのはアメリカで、もちろん字幕なし。そして私は英語がちゃんと聞き取れません(笑)なんか大体のニュアンスで把握する癖がついてしまっていて、何て言ってるか、ちゃんとわかってないんです。しかもけっこうキーとなるセリフとか笑う所とかを逃す…。そんな私なので、この映画の本質と言うか、見所をわかっていない可能性が大いにあり得るということを前提に、映画の感想を少しだけ書いてみたいと思います。
行く直前に映画館情報をチラッと見て、その時に読んだあらすじでは、
“A jazz pianist and an aspiring actress fall in love but face difficulties as they become successful.”(www.fandango.com)
「ジャズピアニストと女優に憧れている女の子が恋に落ちるが、お互い成功するにつれて関係を続けていくのが難しくなってゆく…」というような意味になるでしょうか。
映画の舞台はロサンゼルス。多分ハリウッド。
まず出だしで二人の人生が初めて交錯する一瞬が描かれるのですが、そのシーンとルームメイトとパーティーに行くシーンなどは華やかでカメラワークも凝っていて好きでした。
出会いはお互いにあまり良い印象ではなかったけれど、二人は恋をします。お互い叶えたい夢もあって頑張ります。相手が頑張ってると自分も頑張れる。励まし合える。でももちろん、なかなか叶えられない。夢は諦めて、もっと現実的に方向修正をしようとする相手を見て…。というようなストーリーです。
http://gaga.ne.jp/lalaland/
私の個人的見解から結論を言ってしまうと、すごくハッピーで幸せな映画、とは違うと思います。でもレ・ミゼラブルのように、終始救いようのない悲劇ではもちろんありません。なんというか、いい恋をして、人生に色が差して、それは決して褪せることのない思い出となり、その人の糧になっている。と同時に、夢を追い続けることの厳しさと、成功していく恋人への気持ちと自分の成功を追い求める気持ちとのバランスをとる難しさ。そういうものが描かれているのだと思いました。ラストでは、二人とも納得して満足しているのに、笑顔が切なかったです。今も幸せだけれども、昔の恋人との素敵な思い出を胸にしまっている、というような人ならば特に、共感できるものかもしれません。
楽しいとか夢のようとかの映画評が多いですが、私が感じたのとはちょっと違うんですよね…。まあ儚い夢という意味では、夢のようなストーリーですが。でも公式サイトで私が感じた感想の的を射ている映画評を見つけました。
“アーティスト達の才能と妥協のはざまを描く人間ドラマとして秀逸。――The Playlist”
日本での公開は2月24日です。ぜひ、ご覧になってみてください!