投資と投機ってどうちがうの?
- 2016/2/4
投資とは?
「投資」と「投機」ということばがあります。投資は知っている人も多いと思いますが、この二つの違いを説明できる人は少ないです。新聞でも「投機筋」「投機的」という言葉が使われていますが、分かっているようで分かっていない人も多いのではないでしょうか。
それぞれの意味から確認してみましょう。「投資」とは、将来的にそこから利益を上げることを目的として、現在の資産を投じる行為のことです。株式投資、債券投資、不動産投資などがありますが、例えば株式投資ならば、配当金=インカムゲインや売却時の利益=キャピタルゲインを得ることを目的として資産を投じます。不動産投資ならば、賃料からの収入や不動産価格の値上がりによる売却益が期待できます。投資家は主に、売却益よりも配当金や賃料に利益を求めます。
投資の特徴は、このように長期的な視点にたって対象を分析し、期待できる利益に従って資産を投じるということです。また、投資家が資金を投じ、企業や国がその資金を元にして発展し、相互に利益をもたらすようなWin-Winの関係を築くことができます。
投機とは?
一方「投機」とは特定の企業や国というよりも特定の「機会」に対して資産を投じることを指します。短期的な価格変動から、より高い収益が期待できそうな機会に対して資産を投じていきます。対象の企業や国に対する長期的な分析はあまり行なわず、そのときの価格決定のメカニズムのみを分析する特徴があります。インカムゲインではなくキャピタルゲイン、つまり売却益を得ることのみを目的とします。
投機の特徴は、通常の投資よりもはるかに短期であり、ギャンブル性が強く、ハイリスク・ハイリターンだということです。また投機の場合は対象の企業や国、また同じ相場の参加者と協力的な関係を築くことはなく、相場参加者同士でのお金のやりとりになります。つまり誰かが利益を上げたときに、他の誰かが損をする「ゼロサムゲーム」であるということです。
個人投資家は投資に専念するべき
投機は他の相場の参加者との情報戦になり、いかに短時間で相手を出し抜けるかという勝負になっていきます。そのため個人投資家が利益を得ることは難しく、より大量の情報と巨額の資金を使うことの出来る機関投資家が有利になります。また巨額の資金を動かすことの出来るファンドなどは、相場を読むだけでなく、空売りなどの行為によって相場の動きを誘導することもできます。こうなるとますます個人投資家は勝つ事ができません。
投資と投機のちがいは理解できたでしょうか。個人投資家は、短期期で巨額の利益を上げようとする投機的な取引よりも、長期的に、安定的に利益を上げていくことを考えた方がいいでしょう。