世界遺産、世界の三大仏教遺跡
- 2015/9/11
海外旅行に出かけるなら、世界遺産を訪ねてみるのはどうでしょうか。アジアのそう遠くない国に、世界遺産に登録されている世界三大仏教遺跡があります。その仏教遺跡郡について、まとめてみました。
1. アンコール遺跡群(カンボジア)
アンコールには60以上の仏教遺跡があり、世界文化遺産として1992年に登録されました。熱帯の森の中に建つ巨大な仏教寺院群はとても迫力があります。9世紀初めから15世紀前半に栄えたクメール王朝の時代に作られたといわれています。中でも、最も大きく有名な石造仏教寺院がアンコールワットです。12世紀前半に作られて後、一時は廃墟として森の中に埋もれていましたが、保存修復作業により、多くの人が訪れるようになりました。その規模はとても大きく、奈良時代の平城京跡に相当すると言われています。回廊の壁に刻まれた、女神や戦闘場面のレリーフがとても美しく、見どころとなっています。しかし、遺跡の多くの部分が崩壊の危機を脱しておらず、破損状態のはなはだしい個所や、熱帯の巨木に飲み込まれそうな場所もあります。そのため、ユネスコの「危機にさらされている世界遺産リスト」の中に入れられています。
2. ボロブドゥール遺跡群(インドネシア)
1814年、イギリス人率いる探検隊によって発見されました。発見時、この巨大な仏教遺跡は、熱帯雨林のジャングルの中、土中に埋もれていたのです。今では、ボロブドゥールの周りに公園が整備され、訪れる人が公園内の林を歩いていくと、突然視界が開け、巨大なボロブドゥール遺跡が出現します。仏教遺跡といっても、そこには礼拝堂も寺院もなく、建造物の中に入ることはできません。丘の周りにブロック状の石を積み上げて作られた、階段状のピラミッドのような形をしています。見学する人は回廊をまわりながらピラミッドを上っていきますが、その回廊の壁面には釈迦が悟りを開いていく様子が彫られています。頂上部分にたどり着くと、そこにはたくさんのストゥーパ(仏塔)があり、そのストゥーパの中には釈迦如来像が安置されています。この仏教遺跡がどんな目的で作られたのか、どんな役割を担っていたのかは、まだ明らかにされていません。
3. バガン遺跡群(ミャンマー)
イラワジ川の中流に位置する平野に大小さまざまな仏教遺跡が林立しています。その仏塔の数は3000を超えると言われており、茶色のものや白色のものなど、色大きさもそれぞれです。いずれかのパゴタ(仏塔)に登って見下ろすバガン遺跡群の様子はとても神秘的で美しく、とくに朝日や夕日に照らされた寺院やパゴタは幻想的な雰囲気を醸し出しており、神聖な気分になります。ほとんどの遺跡は11世紀から13世紀に建てられたものです。当時のバガン地方はビルマの最初の統一王朝であるパガン王朝の首都でした。
世界三大仏教遺跡のひとつに挙げられているバガン遺跡群ですが、残念ながら現在はまだ、ユネスコの世界遺産として認められていません。未来の世界遺産として期待されています。