運命的な恋愛がしたい人におすすめの映画 「Before」知ってる?
- 2017/5/19
恋愛映画はいろいろありますが、あまりに現実とかけ離れていても、共感できなかったり、現実的すぎてもわくわくしなかったり。お決まりのハッピーエンドにはもう飽きた!という方にぜひおすすめしたいのが、アメリカ映画「Before」シリーズ。知る人ぞ知る恋愛映画の傑作です。1度ではなく、2度も3度も見たくなること間違いなしです。
どんな物語?
「Before Sunrise」「Before Sunset」「Before midnight」(原タイトル)の3作では俳優陣が20代、30代、40代と歳を重ねていくのと同様、主人公たちも年を重ねていて、それぞれの恋愛観や人生観が作品ごとに変わっていきます。
まるで、ドキュメンタリーを見ているような、他人の恋愛をこっそりのぞいているような、そんな感覚になるのがこの映画の魅力です。
主演は、イーサン・ホーク。アメリカ人男性、ジェシーを演じています。彼が恋をする相手は、ジュリー・デルピー演じるフランス人女性、セリーヌ。二人は国際恋愛。お互いの考え方の違いや「アメリカ男性は…」「フランス人女性は…」というやりとりが映画の中で何度か出てきます。国際恋愛のリアルな一面も垣間見られます。
監督はリチャード・リンクレイター。『6歳の僕が大人になるまで』も有名です。こちらも、イーサン・ホークが出演しています。
このシリーズは大きな展開があるわけではなく、ジェシーとセリーヌの会話がメインになっています。そして、それぞれの舞台の国の美しい風景も見どころ。
では、ネタバレにならない程度に、3作の概要をご紹介します。
「Before Sunrise」1995年 (邦題:ビフォア・サンライズ 恋人までの距離)
ヨーロッパの長距離列車の中で出会った二人は恋に落ち、出会ったその日から翌朝日の出までの時間を一緒に過ごします。舞台はウィーン。とにかく景色が美しく、ロマンチックさを増長させています。年を重ね現実的になると、「恋に落ちたのはただのウィーンマジックでは?」と皮肉に思ったりもしますが、運命を信じたい年頃の二人が1分1秒を大切にして過ごしている一生懸命さが、なんだかんだ素敵だな、と思えます。
まだ20代前半の二人。将来のことや恋愛観を語り合い、お互いにもっと一緒に過ごしたいと思いながらも、別れの時間はあっという間にやってきます。そして、別れの時、「半年後にこの場所で会おう」と約束します。半年後、どうなったかは、想像にお任せです。
カップルや友達同士で見たら、映画が終わってから議論になること間違いなし。
「Before Sunset」2004年 (邦題:ビフォア・サンセット)
ウィーンでの運命的な出会いから9年。30代前半になった二人は、大人の色気や落ち着きがあり、前作とはまた違った雰囲気です。
今回の舞台はセリーヌが住んでいる町、パリ。ジェシーは小説家です。パリへ来たのは小説のプロモーションのためで、その小説の内容は、ウィーンでの二人のことを描いたもの。それを知ったセリーヌが、ジェシーがサイン会をする書店を訪れる、というのが映画の始まり。ここから、ジェシーのフライトの時間ギリギリまでパリの街を散歩します。日が暮れるまでの数時間という短い時間を過ごします。
二人は、半年後に再会したかどうかは映画を見てからのお楽しみ。この9年どんな生活をしていたのか、お互いのことをどう思っていたのか、恋愛観や仕事観などの深い会話のやりとりや、お互いに少し遠慮して踏み込まないようにしている様子が、久しぶりに会った元恋人同士のようです。
別れの時間が迫るにつれ、我慢できずに心を開いていく二人の様子に切なく、どうにもならない現実が待っている大人の宿命をひしひしと感じます。ラストはこれまた議論になるような想像にお任せスタイルです。
「Before midnight」2013年(邦題:ビフォア・ミッドナイト)
パリでの再会から9年。今回の舞台はギリシャ。二人はいろいろありながらも、結婚していました!二人の間にはかわいい双子の娘も。しかし、結婚となると現実的な問題が多々出てくるようで、今後住む場所などのことで二人は口論するように。
友人が二人の仲直りのために、二人きりで話せるようにセッティングしてくれたのですが、ここでもトラブルが。40代になった二人は、以前のように情熱的に愛し合うことはできなくなってしまうのでしょうか。結婚と恋愛の違いについて、いい部分も悪い部分も見せている作品です。ただ、すれ違いがあっても、二人の愛は揺るがないというのを最後に感じさせてくれます。やはり、愛を信じさせてくれる、裏切らないな~beforeシリーズ!という感想です。
どの作品も好きですが、個人的には、Before Sunsetが一番好きです。大人になった二人が、大人の振る舞いをしようと強がっていて、思ったままに突っ走ることができなくなったもどかしさなどが胸に突き刺さります。
カップルで見ても、ひとりで見ても、楽しめる作品です。