現代の衣替え クールビズとウォームビズ
- 2015/5/28
季節の変化に合わせて、洋服など身の回りのものを季節に合ったものに変える衣替え。衣替えは昔から伝わる習慣ですが、暮らしが変化した現代でも自然に行われています。
もともと衣替えは平安時代、旧暦4月1日から夏の装束に、10月1日から冬の装束に変えるしきたりでした。江戸時代には、幕府が武士や奥女中たちの城中での衣装を、季節によって細かく決めるようになり、一般の人々もそれにならいました。着物の衣替えは、洋服よりも決まりごとが細かくありました。季節ごとに袷(あわせ)と単(ひとえ)、素材・色・柄を使い分けていました。明治時代になると、政府によって6月1日は夏の衣替え、10月1日は冬の衣替えと定められ、今でもその習慣が残っています。洋服においては現在、一般的には6月1日~9月30日は夏服、10月1日~5月31日は冬服とされています。
現代の日本にとっては衣替えに加え、「クールビズ」「ウォームビズ」も同じ役割を果たしているといっていいのではないでしょうか。平成17年度からクールビズ(5月~9月)、ウォームビズ(11月~3月)がそれぞれ行われています。これらは、温室効果ガス削減のため、エアコンの使用を控えながら快適に過ごすための取り組みで、ライフスタイル全般であらゆる提案がされています。夏、男性がノーネクタイやポロシャツで働く姿はおなじみになり、私たちの生活にクールビズやウォームビズが定着しつつあります。その中では、快適に過ごすための昔ながらの知恵が見直されています。
たとえばクールビズでは、うちわや扇子でちょっとした暑さをしのいだり、すだれやよしずを設置したり、体内を冷やす効果のある食べ物をとったり、朝や夕方の打ち水をすることを推奨しています。一方、ウォームビズでは、腹巻・股引などで体幹を温めたり、冬が旬の食材や地元の食材を使った鍋を食べたり、ストーブの上にやかんを置いて加湿したり、ゆず湯・しょうが湯・大根湯などで体を温めたり、湯たんぽや座布団を活用することを推奨しています。
季節ごとの行事や昔ながらの習慣を大切にし、守っていくことが、エネルギーの節約に役に立ち、私たちの生活にも彩りを添えてくれます。衣替えは洋服のことだけをさしているのではありません。こういった身の回りの道具やインテリアも、季節に合ったものに替えて、五感で季節の移り変わりを感じられるといいですね。みなさんも、自分の生活を見直してみてはいかがでしょうか。