みなさんは、線維筋痛症という病気をご存知でしょうか?
- 2015/1/7
全身に痛みをもたらす病気です。
日本では、医師でさえその病名を知らないこともあります。
現代医学で、検査をしても目立った異常がないのに耐え難い痛みを伴います。
想像することも難しく感じるかもしれませんが、全身を針で刺されているような鋭い痛みや、風が吹いて、髪の毛が揺れただけで痛みを感じます。
痛みは日によって、移動することもあり、過労、天候の変化や過度のストレスなどで症状が悪化することがあります。
具体的な身体症状は他にも、
・疲労感
・不安感
・過敏性腸症候群
・睡眠障害
・手足のしびれ、こわばり、レイノー現象などリウマチ症状
・膀胱炎・頻尿
・口や目の乾燥症状
・頭痛
・経困難、生理不順、冷感、耳鳴り、むずむず足症候群
などの症状もあります。
人によって、症状は様々ですが、痛みで全く動けなくなることもあります。
寝たきりで、数か月あるいは数年過ごすことになる場合もあります。
この病気は、命に関わるようなことにはなりませんが、生活のクオリティが著しく低下します。
○他の病気の併発がない場合
>一次性線維筋痛症
○他の病気に併発する場合
>二次性線維筋痛症
・関節リウマチ
・シェーグレン症候群
・全身性エリテマトーデス
・強皮症などの膠原病
・変形性脊椎症
・脊椎関節炎
このような病気に続いて線維筋痛症を発病するなど、他の病気に併発することもある。
・交通事故や怪我の後に痛み感じるようになることもある。
検査と診断方法は?
血液、レントゲン、CT、MRIなどの検査をしても診断はできないのです。
どのように診断するのか?
1990年に発表のされたアメリカリウマチ学会の診断基準を参考にして診断されることが多い。
1.広範囲の疼痛の既往歴があるかどうか。
2.特定の圧痛点を手指で圧したとき、18ケ所の内11ケ所以上に痛みを感じるかどうか。
(圧す強さは4kg)
※他に病気があっても線維筋痛症の診断はされます。
原因は?
原因はまだ解明されていません。
神経・内分泌・免疫系の不調が関わっていると考えられています。
感じる「痛み」は、中枢神経の中で感じる痛み (感覚受容器を通さない)ではないかと考えられている。
現在行われている治療は?
心身ともにリラックスするように心がけるとともに、生活環境の見直しや
仕事と休養のバランスを取るようにする。
ウォーキング、水泳、エアロビクス、ヨガ、太極拳などの運動は効果がある。
それに、痛みだけでなく気分や抑うつ状態にも効果があります。
電気治療、温熱治療など、鍼灸、マッサージ、指圧、カイロプラクティックなども有効といわれる。
薬による治療
抗炎症剤、精神安定剤、抗うつ剤などが使用されます。
この病気は、誰にでもいつでもなる可能性があります。
もし、気になる症状があれば早めに医療機関へ受診されることをお勧めします。