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このマンガが凄い!「死んで生き返りましたれぽ」
- 2015/4/21
世の中にはたくさんのマンガがあって、それぞれの良さがあります。あれもこれもスゴイのですが、最近心底凄いと思ったマンガをご紹介します。それが「死んで生き返りましたれぽ」です。これは簡単に言えば闘病記です。一般によくある闘病記は、死期を悟った本人もしくは身近な誰かが書いていることが多いですよね。この闘病記は一度心肺停止した作者が、そこから蘇ってくる過程をマンガにしています。
マンガやイラストを描く仕事をしていた作者は、ある日自宅のトイレで意識を失います。その2年ほど前から具合が悪く、どんどん体調が悪化していることは自覚していました。それでもそのまま突き進んでいました。好きなことを仕事にしているのだから、自分にできることは他にないのだから、そんな風にどんどん自分を追い込んでいきます。何もかもが嫌になっていつも体がだるく、飲んでも飲んでも喉が渇くようになったある日、倒れたのでした。
救急搬送された病院で、作者は心肺停止状態になります。2分間の蘇生治療のあと心臓は動きだしますが、全身状態はとんでもなくボロボロでした。血糖値は通常の上限の9倍、その結果血液が致死的に酸性になり肺炎肝不全腎不全その他もろもろ、生きているのが不思議な状態です。医療側の努力や作者の若さ、その他様々の幸運もあったのでしょう、作者は2週間後なんとか意識を取り戻します。
少しずつ回復していった作者は、ICUから一般病室に移ることができました。ようやく死の淵からちょっと生の側に近づけたと思った3日後、また意識を失ってしまいます。脳浮腫という脳が腫れた状態になってしまったのでした。実際のところ脳が腫れるってどういうことなのかよくわかりません。ただ脳がどこかおかしくなってしまっていることはわかります。ここからが本当の闘病の始まりでした。
脳浮腫がひいて意識が戻ったものの、作者の感覚は「誤作動」を起こします。女性の問いかけには「あいはらさん」、男性の問いかけには「三本」としか答えません。暴れたり泣きわめいたりします。人が話している内容が理解できません。それでもそれが優しい言葉なのか辛辣な言葉なのかはわかるのです。人の五感で最後まで残るのは聴覚だといわれていますが、計らずも作者はそれを実感した形になりますね。
作者自身の努力と周囲の協力で作者は少しずつ少しずつ回復し、退院することができました。その後WEBで発表したのがこの作品です。一度死んでこの世に返ってくる過程で、作者はいろいろなことをただただ考えます。自分がやりたかったこと、自分が捨てようとしていたもの、自分が持っていたのに気付かなかったたくさんのこと。自分の仕事や自分自身にも悩みながら、毎日に追われている人はたくさんいるでしょう。すべてをひっくるめてそれが生きているということで、そうやって生きていていいんだということでもあります。このマンガを読んで、たくさんの人にそう思って欲しいと思いました。