「ドローン」でビジネスは変わる?
- 2015/4/24
ドローンってどういうもの?
最近になってビジネスの場で多く利用されるようになってきている「ドローン」のことは、みなさん目にしたことがあると思います。空の産業革命とも言われ、ドローンは運輸業界や農業、スポーツ・自然の映像撮影、災害現場など様々な分野で活用されています。ドローンとはどういうものなのでしょうか、どのように活躍しているのでしょうか
ドローンとは無人航空機ということで、早くから軍事利用されていました。当初は危険地帯での偵察や戦闘行為のために開発されました。しかし次第に民間企業も開発に乗り出すようになり、農薬散布や宅配などに使われるようになっています。軍事利用されているドローンは大型で遠隔操縦されるものが多いですが、民間のビジネスで活用されているのは小型のものが多く、自動飛行するものがほとんどです。
多様な用途
実際にはどのような現場で使われているのでしょうか。例えば農業では生産性の向上に大きく役立っています。ドローンのような小型のプロペラの航空機自体は技術的に難しいものではありませんでした。しかし以前は遠くから誰かが操縦しなければならなかったり、使用用途も決まった量の農薬を散布するだけだったり、と限られていました。
しかし近年、スマートフォンの開発によってセンサー技術が発展し、またドローンの操作もより精密なものが実現できるようになりました。技術の向上によってドローンは自動で様々な種類の農薬を判別して散布したり、その日の天候や風の強さ、温度・湿度など詳細なデータを記録できるようになりました。記録したデータはコンピュータで分析され、より農作物の生産性を上げるために活用されるようになりました。
今後さらにドローンの技術の向上と普及が広がれば、農作物を育てるコストが大幅に下落し、低価格かつ安定的な農作物の生産が可能になるでしょう。
また宅配業でもドローンの活用が注目されています。Amazonはいちはやくドローンの商業利用にとりかかり、顧客が注文した商品を30分以内に届けることを目標にした「Amazon Prime Air」というサービスを発表しました。サービスの実現にはシステムの構築や安全性の向上など様々な問題がありますが、数年以内に実用化したいと考えているようです。
今後の展開は?
ドローンの商業利用が本格化するには、まだ大きな問題があります。それは技術面ではなく、法律面での問題です。Amazonのサービスも米連邦航空局の認可待ちの状態であり、また欧州でも法律によって実用化が制限されているケースが多くあります。商業利用が本格化すれば空を多くのドローンが飛び交うことになり、ドローン同士で、また航空機との間でも接触事故などの危険性が高まります。
こうしたリスクに備えるには、新たな法整備・ルール作りや高度なシステムの構築、各国の間でのルールの統一などの作業が必須になります。この作業には長い時間と手間がかかることが考えられるため、当分は室内や農業など現段階で安全性が確保されているところから普及が進み、徐々に実用化できる分野が広げられていくことでしょう。しかし課題は残っているとは言っても、空の産業革命が本格化するのは遠い未来のことではないようです。