ヘッジファンドの投資手法とは?
- 2015/6/16
ロングショート
世界の相場で大きな影響力をもつヘッジファンドですが、ヘッジファンドは通常の投資家とは異なる特徴的な戦略や手法で投資します。一般的な投資信託は投資対象である株や債券が値下がりしたときに買い、値上がりしたときに売ることで利益を出します。しかしヘッジファンドの場合は買い(ロング)と売り(ショート)の両方で利益を出すことができます。この戦略のことをロングショートと言います。
ロングショート戦略とは端的には、ロングとショート両方のポジションをとることでリスクヘッジする手法のことです。ある銘柄を購入し値上がりしたところで売却するロングポジションについては理解しやすいと思います。しかし銘柄を売ることで利益を出すことについては「空売り」の概念を知らなければ理解できません。
空売りとは証券会社などから借りてきた株や債券を売却し、相場を下落局面に誘導させ銘柄が値下がりしたところで買い戻すという手法です。銘柄が下落局面にあっても利益を出せるのです。
グローバルマクロ
通常、投資の基本は多種多様な銘柄に分散投資することですが、ヘッジファンドは世界中の経済指標や金融政策の動向、金利、為替変動などをマクロに分析して投資します。分析の結果に応じてロング、ショートのポジションをとり、利益を出します。これをグローバルマクロ戦略といいます。世界中の投資対象に対して多様かつ流動的にポジションをとることでリスクヘッジしています。
マネージドフューチャーズ
また株式や債券だけでなく先物取引などにも投資して利益を追究するマネージドフューチャーズという戦略もあります。広範な投資対象に分散投資してリターンを得る手法です。マネージドフューチャーズ戦略ではトレンドを予測し、トレンドにそった投資を行ないます。例えば銘柄が値上がりしているときにはロング、値下がりしているときにはショートのポジションを大量に保有するのです。
イベント・ドリブン
その他には企業のイベント、具体的には新製品の発表や買収・合併などが起こることを予測してポジションをとるイベント・ドリブンという戦略もあります。企業のイベントが相場へのプラス要因になるようなものならばロング、マイナス要因になるようなものならばショートポジションをとります。高度な分析と情報収集能力がなければ実践できない戦略です。
このような戦略を状況によって多様に使い分けながら絶対的なリターンを追究するのがヘッジファンドです。あらゆるリスクヘッジの手段を持っていることで、ハイリスクな取引を支えています。