医療保険に加入していないと入院したとき大変?
- 2015/6/18
医療保険未加入のときの費用
日本は公的医療保険の制度が充実しており、全ての人が加入しています。この公的医療保険の制度があるため、もしも病気をしても保険証の提示によって医療費は3割負担ですみます。高齢者・障害者や低所得者ならばそれ以下の負担で治療を受けることができます。しかし医療保険に加入していないと、大きな病気になったときに大変だとも言われています。公的医療保険ではどのような保障を受けることができるのでしょうか。
医療費が高額になれば補助される高額療養費制度
公的医療保険制度での補助は、医療費が3割負担になるだけではありません。一ヶ月の医療費の自己負担額が一定以上になった場合、一部があとで払い戻される「高額療養費制度」というものがあります。この制度が適用された場合、超えた分の医療費の1%が自己負担になります。
これは最初から負担が少なくなっているわけではなく、あとから戻ってくるという制度です。そのため自分が条件に適用しているのならば、自分で申告しなければなりません。医療機関からレセプトが提示され、それから三ヶ月以上かけて審査が行なわれ、それから払い戻しが行なわれます。また医療費が一定以上になることが三ヶ月以上続けば、四ヶ月目以降からはさらに自己負担額が減らされます。これを利用すれば100万円ほど医療費がかかっても、最終的に自己負担額は8万円程度で納まります。
また一年間に支払った医療費が10万円を超えた場合、最大200万円まで所得税の控除を受けることができる「医療費控除」もあります。確定申告すればかかった医療費の一部が戻ってくるため、レシートなどをとっておいて記録しておく必要があります。
医療保険の必要性
公的医療保険の制度でも充分に保障を受けることはできるのですが、民間の医療保険に加入する必要はあるのでしょうか。公的保険では主に医療行為に対して補助が行なわれるため、入院時に毎日かかる食事代や日用品、差額ベッド代などはカバーされません。また、個室を希望したときの差額ベッド代や保険のきかない最先端の医療も公的保険ではカバーされず、その高額な医療費を自己負担しなければならなくなる場合もあります。保険外診療に対しては高額療養費制度も適用されないため、多額の出費に対応するためには、やはり民間医療保険への加入が必要なのです。
出費の多さだけが問題ではありません。大きな病気になれば仕事を休職・退職しなければならない場合もあります。そうなれば負担は医療費増+収入減になり、非常に大きなものになります。家族がいた場合は家族を養うことができなくなってしまうかもしれません。公的保険では最低限の補助しかないため、民間の保険に加入してリスクに備えることが、余裕のある生活につながるでしょう。