アメリカでのクリスマスの過ごし方
- 2016/12/2
11月末の感謝祭が終わるとすぐに、人々は次のお祭りの準備にかかります。家の周りをチカチカの電飾でおおって、庭のもみの木や小さな植木にもクリスマスカラーの緑と赤や、氷に見せかけた透明の電球をはりめぐらします。庭に電飾した鹿やツリーを飾り、玄関も家の中もクリスマス・デコレーションで美しく飾り立てます。前庭の葉の落ちた木の枝にクリスマス・オーナメントを飾る家庭もあります。
人々はツリー・ファームに行き本物のもみの木を買って、トラックや車の屋根に乗せて運ぶ姿は11月~12月の風物詩になっているくらいです。クリスマスツリーとして選ばれるもみの木は、冬にも葉を落とさないので「常緑樹は永遠の命のシンボル」と考えられ飾られる風習になりました。
クリスマスの起源は約2000年前の12月25日に生まれたイエス・キリスト誕生のお祝いです。それからキリスト教の礼拝が世界中に広まりました。つまりChrist(キリスト)mas(ミサ・礼拝)が語源になっています。クリスマスの前4週間をアドベント(待降節)と呼び、クリスマスの準備期間になっています。クリスマス・イヴや当日には人々は教会に行って、イエス様の誕生をお祝いします。
クリスマス・イブなのですが、Eveとはeveningつまりクリスマスの前夜と思う人がほとんどですが、そうではありません。イエス・キリストの時代にはユダヤ暦が使われていて、一日の始まりは太陽が沈む夕方とされていました。なので「クリスマス・イブはクリスマスの始まり」なのです。12月24日の夕方が本当のクリスマスなんですね。24日に太陽の沈むころからクリスマス・ツリーを眺めて過ごすのもロマンチックですよ!
厳密に言うと「メリー・クリスマス!」とはキリスト教信者に対するお祝いの言葉ですから、多国籍のアメリカにはいろいろな宗教があるのでそれを考慮して「ハッピー・ホリディ!」という人もいます。12月の初旬になると早速、遠方の家族や親族や友達からホリデーを祝うカードが届きます。カードは暖炉の上に並べたり、壁にひもを引っ張ってカードを掛けたりする家庭もあります。ずらりと並んだお祝いのカードを読みながら、知り合いの様子を確認して幸福に浸るわけです。
日本ではかなり商業化されているクリスマス・ケーキですが、アメリカにはあんなに綺麗なデコレーションをした美味しそうなケーキは見かけません。クリスマスにはケーキよりもクッキーをたくさん焼きます。子供たちはサンタさんからプレゼントをいただくお返しに、クッキーとミルクをクリスマス・ツリーの下に置いておく習わしがあります。なのでサンタからのプレゼントが届いているクリスマスの朝には、クッキーもミルクもなくなっているんですよ!?ワクワクしませんか?
クリスマスのお料理は日本のおせちのように決まったものではなく、各家庭によって違います。主にロースト・ビーフやロースト・ターキーやベイクドハムですが家庭の好みによります。付け合わせはチーズ・ポテトやビーンズのキャセロールやロールなどをいただきます。テーブルには様々な種類のクッキーが並んでいますが、人の形のジンジャー・クッキーが人気です。クッキーの生地をツリーやサンタや雪だるまの形にくりぬいて焼き、粉砂糖やシナモンパウダーをふったりジャムをのせたりもします。クリスマス・プディングはドライフルーツのケーキで、日本人が想像するプリンとは全く違う、濃厚な味わいのケーキです。
小さな子どものいる家庭では、ジンジャーブレッド・ハウスを作る習わしがあります。ジンジャーブレッドの生地で作った小さな家に、砂糖で作ったフロスティングを糊代わりに、ジェリーやキャンディやM&Mチョコレートやウエハースなどをデコレーションして楽しみます。
ディナーのあとは、ツリーの下に置いてあるプレゼントを一人ひとり包みを豪快に破って開けながら大喜びしています。子どもから大人まで全員にプレゼントがあり、みんなで楽しんでいます。
アメリカのクリスマスにこれといったルールはありませんが、ただ家族や親族や友人が集まってお料理を食べながら、おしゃべりをしてワイワイと楽しく過ごすことがルールになっています。