ドラッカーの「マネジメント」ってどういうもの?大切な3つの機能
- 2015/5/15
戦時中から社会について、企業について、独自の理論を形成し発信してきたドラッカーですが、ドラッカーの経営学は現代でも色あせないすばらしいものです。ドラッカー経営学は簡単に説明できるようなものではありませんが、今回はさわりとして特に重要なポイントである「マネジメント」についてご紹介します。
マネジメントってなに?
ドラッカーの理論と言えば「マネジメント」を思い浮かべる人も多いでしょう。マネジメントを理解することはドラッカーを理解する上で重要なことです。マネジメントとは端的に言えば、組織の成果を向上させるための道具、機能、仕組みのことです。組織において特定の個人が持つ能力などではなく、マネジメントは役割や機能のことなのです。マネジメントには以下の3つの機能があります。
組織の使命を果す
ドラッカーの言う「組織」とは広い意味を持つものですが、ここでは企業に限って考えてみましょう。企業の目的と言えば、利益の追求と思う人が多いと思います。確かに利益の追求は企業にとって重要なものです。しかしそれが最終目標であってはならない、とドラッカーは言います。利益の追究は最低ラインの目標であり、その上で組織の使命・目的を果さなければなりません。
企業は様々な使命・目的を持っています。ドラッカーは企業の目的はまずは「顧客の創造」だと言います。供給過剰の時代である現代では、顧客の求めるものを提供できない企業は淘汰されていってしまいます。マーケティング活動やイノベーションを起こすことで、企業は顧客、つまり新たな市場を創造していかなければならないのです。
仕事で自己実現する
現代では終身雇用といった従来の雇用形態はなくなりつつあり、今後は労働市場がより流動的になっていくことが考えられます。そうなれば現代のビジネスマンは、自分のキャリアプランを再設計し積極的に実現させていかなければなりません。
ドラッカーは、現代人は本業と並行して副業をもち、それを本業にしていく「第二の人生」というアイディアを持っていました。この実現には段階があり、まずは①本業に集中する②本業+趣味をもつ③趣味を副業にしていく④両方を本業レベルで行い、趣味だったものを本業にしていく、という4つの段階で実行すべきと考えました。このようなプロセスで仕事を通して自己実現していくべきと考えたのです。
社会に貢献する
ドラッカーは企業についても、個人についても、最終目標は社会への貢献であるべきだと考えました。企業というものは、多様な分野の専門家が集まって仕事を行なう場です。そのため個人では実行できないような難しい問題も、解決していくことができます。