確定拠出年金はどんな商品で運用できるの?
- 2015/6/24
普及が進む確定拠出年金
確定拠出年金の制度が日本で導入されてから13年がたち、ようやく制度の利用が拡大するようになりました。しかし日本人はもともと貯蓄性向が高く、資産運用の経験がある人はごくわずかです。とくに、まだ若い人にとっては資産運用は縁の遠いものではないでしょうか。
自分の勤務する企業が確定拠出年金を導入したと聞いたら、急に対応するのは難しいかもしれません。そもそもどのような商品で運用できるかを知っていなければ、せっかく利用しても失敗してしまうことにもなりかねません。
すべての金融商品が利用できるわけではない
確定拠出年金制度では、すべての種類の金融商品で運用できるわけではありません。運用できる商品は「預貯金」「公社債」「株式」「投資信託」「保険商品」などです。利用できる商品には「時価評価が可能」「流動性がある」という条件がつけられています。
一方利用できないのは「不動産」「美術品・骨董品など」「金融・商品先物」です。これらは時価評価が難しく、流動性がありません。また運用リスクも高まるため、確定拠出年金では対象外となっています。
また確定拠出年金を運用する機関は、3つ以上の特性の異なる商品を準備し、利用者に選択肢として提供しなければなりません。また、3つのうち1つは預貯金などの安全性の高いものにしなければならないことになっています。
資産運用の基本は分散投資
投資の世界では一般的に、多種多様な対象に資産を分散するほど安定的に運用できると言われています。例えば資金のうちの30%を預貯金で、20%を外国債券、20%を国内株式、30%をREITに、といった具合に投資し、それぞれの運用実績を個別に管理しておくことが重要です。
一つの投資対象に資産のうちの大きな割合を投資してしまうと、その対象での運用が失敗したときのダメージが非常に大きくなります。しかし少額ずついろいろな対象に投資していれば、一つが失敗しても大きなダメージは受けずにすみます。
確定拠出年金を利用している人の多くは、分散投資と専門家によって運用してもらえるというメリットから投資信託を利用しています。投資信託は、初心者で投資の知識やスキルがない、という悩みを持っている人にはおすすめです。もしも運用先として投資信託を選ぶならば、運用会社の商品のコストをよく見極めることが重要です。
運用会社からは信託報酬という、運用してもらう手数料が毎日引かれることになります。これは運用実績に関わらず必ず一定額引かれ続けるため、以外と負担がかさむのです。同じ運用実績ならば、信託報酬の安いところを選ぶようにしましょう。