日本の公的年金制度を復習しよう
- 2015/8/18
三種類の年金制度
20歳以上60歳未満の日本に住んでいる全ての人は、公的年金制度に加入しています。しかし、国民年金も厚生年金も仕組みをよくしらないまま過ごしてきた、という人が大半ではないでしょうか。日本の年金制度は複雑です。今回は、日本の年金制度とはどういう仕組みになっているのか、簡単に説明したいと思います。
まず公的年金には以下の3つの種類があります。
■国民年金
■厚生年金
■共済年金
まず①国民年金は、日本国内に住所のある20歳以上60歳未満の全ての人が加入を義務づけられているものです。「基礎年金」とも言われます。老齢や障害、死亡によって年金を受けとることができます。②の厚生年金とは、一般的に企業に勤務しているサラリーマンが加入するもので、基礎年金に加えて年金を受けとることができます。③の共済年金とは、公務員が加入するものです。対象者は国家公務員、地方公務員や私立学校の教師などです。退職後や障害、死亡したときに基礎年金に上乗せして年金を受けとることができます。
二階建ての構造
日本の年金制度が複雑に見えるのは、それが重層的な構造になっていることが原因です。構造の説明の前に、国民年金の3つの種類について説明しましょう。国民年金は全ての人が加入しているのですが、職業などによって以下の3つの種類に分類されています。
・第1号被保険者
・第2号被保険者
・第3号被保険者
第1号被保険者とは農業や自営業を営む人、学生、フリーター、無職の人などです。この人たちは国民年金のみに加入します。第2号被保険者とは、企業に勤務しているサラリーマンなどのことで、国民年金と厚生年金に加入しています。また共済年金に加入している公務員も第2号被保険者になります。第3号被保険者とは、第2号被保険者の配偶者で20歳以上60歳未満の人のことです。年収が130万円を超えると、第1号被保険者に分類されます。
国民年金にはこのような種類があるのですが、公的年金は「二階建て」の構造になっています。一階部分が全ての人が加入する国民年金(基礎年金)の部分で、二階部分は第一号被保険者の場合は、国民年金基金や個人型の確定拠出年金、第2号の場合は厚生年金もしくは共済年金、第3号の場合は二階部分はありません。
支給額はどのくらい?
以上年金制度の仕組みについて紹介しましたが、年金は実際どのくらい支払われるものなのでしょうか。国民年金の場合は、原則的に65歳以降に支給されますが、40年間加入すると満額の年間約79万円が支払われることになっています(この額は今後減っていくと言われています)。
厚生年金や共済年金の場合は、現役時にどれだけ収入を得ていたかによって年金の支給額も変わります。多く稼いでいた人ほど、支給額も大きくなるのです。平均的な会社員だった人の場合は、だいたい月に10万円程度だと言われています。
これが公的年金の制度の概要ですが、会社員の人ならばこれに三階部分として「企業年金」が加わることもあります。自分の加入している年金はどうなっているのか。将来的にはどのくらい年金がもらえるのか。今のうちから調べておくことは、将来のためにもおすすめです。