20代女子に観てもらいたい定番映画5選……その5「ショコラ」
- 2016/11/9
その5 「ショコラ」 2000年公開
「してはいけないことなんて、そうはない。」
フランスにある、とある小さな村。この村では、平穏こそが一番。
この村で生活すると自分がどうあるべきかがわかる。
暗黙の了解で決まっている立場があり、それをうっかり忘れようものならとんでもない目にあう。
見てはいけないものを見たら、目をそむけることを学ぶ。そして、かなっていない願いがあれば、もう願ってはいけないと知るのだ。
あの冬の日、そう、いたずらな北風が村に吹いてくるまでは。
というオープニングのナレーションを聴きながら、こんな閉鎖的な国、どっかにあったなぁと思って物語に引き込まれてしまいました。
北風と一緒に旅をしてこの村にやってきた親子、ヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)とアヌーク(ヴィクトワール・ティヴィソル)は、閉店して荒れ果てたパン屋の店舗を借り、チョコレートショップをオープンする。
村の村長で代々この村を管理するレノー伯爵は、敬虔なカトリックで、勤勉家で自己鍛錬に厳しい人物で、この村で彼に逆らえる人はいない権力者。
教会には行かないと言い切り、未婚の母で、静かな村には、刺激的なチョコレートショップを開いたヴィアンヌに嫌悪感を抱く。
村ではちょうど復活祭にむけて、四旬節が始まったばかり。
四旬節とは、復活祭までの46日間のあいだ、食事を制限する風習なのだが、現代では、厳格に守っている人は少数派とのこと。
それを厳格に守って、食事制限をしているせいか、レノー伯爵は、いつもイライラしている(本当は人に話せない悩みがあるのです)。
そのイライラは、よそ者のヴィアンヌに向けられて、教会の礼拝で、村人にヴィアンヌの店には行ってはいけないと通達するのだが・・・
ヴィアンヌのオープンしたチョコレートショップの名前は「maya」。
南米人の母親から受け継いだレシピでチョコを作ると、そのチョコを食べた人たちには、不思議な効果が現れます。
まるで魔法のような物語の映画で、観ている私たちも、「maya」のチョコレートを食べてenchanted(魔法にかかった)ような感覚になり、なんだか幸せになれる映画です。
この物語を気に入った人は、監督のラッセ・ハレストレムの他の作品もきっと気に入ると思います。現実のストーリーの中に少しのファンタジーを織り込んだ作品が多いです。
物語の中盤、厳格な村に再びピンチがおとずれます。
ジプシーの集団が船で村にやってくるのですが、その中の一人の男性ルーを演じているのは、ジョニー・デップ。
この時、37歳なのですが、メチャメチャかっこいいのです。
ジプシーとは、定職をもたず放浪生活をして日銭を稼いで暮らしている人々なのですが、ギターを弾いているジプシー姿が素敵すぎます。
この映画のあと、「パイレーツオブカリビアン」などの、顔にバッチリメイクをした作品が多くなってしまうので、今となっては、かっこいい男性役というのが逆に貴重かもしれないです。
アヌークがルーの船を見て、「ママ大変!海賊がきた!」というシーンがあるのですが、「ショコラ」は「パイレーツオブカリビアン」より前の作品です。
ちなみに、アヌーク役のヴィクトワール・ティヴィソルを見て、「どこかで見たことあるな?」と思った方は、なかなかの映画通ですね。映画「ポネット」でポネットを演じた女の子だそう。美少女ですよね。
受け入れること、変化を恐れてはいけない。
そんな教訓をもたらす映画ですが、この映画「ショコラ」をおススメする理由は、単純にただ観終わったあと、幸福な気持ちになって欲しいからです。
そして、チリペッパー入りのホットチョコを飲んでみたくなるはず。
自分のお気に入りのチョコレートと一緒に映画を観ると幸せ感が増すかもしれません。
幸福感という贈り物がもらえる映画です。楽しんでください。