会議を円滑に進めるために求められる役割
- 2017/2/6
「議長に任命されたものの、会議の進め方が分からない。」
「会議の議長経験はあるけれど、もっと円滑に会議を進めたい。」
ビジネスの基本であり、情報共有の基本とも言える会議ですが、その良し悪しは会議進行役である議長で決まると言えます。
近年、これら会議進行役の議長をファシリテーターと呼び、会議をファシリテイト、つまり促進するという意味で用いることから分かるように、議長の役割とは会議において円滑な情報共有を促すことである言えます。
それでは、議長を適切に担うために具体的に求められる3つの役割とは一体何なのでしょうか?
1.議題に優先順位を付ける
会議を行うためには日時・場所・参加者などを確定する必要がありますが、その一方で議長として最も大切な準備があります。それは議題の収集と選択、決定と優先順位づけという一連の流れです。議長は決まった時間内で議題を消化していく必要があり、準備なしに行うことは愚の骨頂です。
ここで最も大切なことこそ議題の優先順位づけです。これは会議時間という制約条件のために順位をつける行為であり、会議当日の議題進行順を決定する行為です。
木であったそれぞれの議題を収集することによって森となり、その全体像を俯瞰するのです。言い換えるならば、全体マップから道筋を決める行為であり、議長であるあなたが現在地から次の目的地へと導くのです。
会議の進め方とは当日何をするかよりもまず、準備の仕方(議題の収集と選択、決定と優先順位づけ)を理解し実行しなければならないのです。
2.時間を意識する
会議の進め方において最も気にすべき点は時間です。
「どの議題にどれだけの時間を設定するか」という意識は議長だからこそ持つことができる非常に重要な要素です。時は金なりという言葉に代表されるように、時間はビジネスという営利活動において利益や報酬と同じかそれ以上に大切なものですが、現実にはそれほど真剣に理解されてはいません。議題から話がそれたり、反対意見を述べる人が出てきたり、思い付きでアイデアを述べ始める人がいたり、会議に対する姿勢や反応は人それぞれです。
もしタイムキーパー役を別に設けようと思っているのならその考えを変える必要があります。なぜなら、タイムキーパーは時間だけを管理するのであって、話し合いの局面や議題の内容にまで深く理解を示しているとは考えにくいからです。
議長であるあなたが議題と時間を管理することによって、会議という意思決定の場を最適に促進することができることを理解し会議を進める必要があります。
3.コンセンサスから行動を導く
会議は議題と時間を意識することによって円滑に進むのですが、議長経験の少ない人に多く見受けられる悩みは進む一方で収束させることができないということでしょう。
会議の場において議長が最後に意識すべき点は、多くのアイデアや想像力ではなく、目的と行動に適ったコンセンサスです。コンセンサスとは「複数の人による合意」であり、会議の基本である情報共有の本質であると言えます。
ビジネスの場における会議とは討論会のような議論で勝敗を決める場や思いついたアイデアを出し合う場ではなく、議題の目的に最も適ったコンセンサスを取る場です。
そして、議長のあなたの役割は「コンセンサスの内容を実現するために具体的にどのような行動を取るべきか?」という質問を投げかけることです。
議長として会議の意味を頭に入れることによって、議題を提示し、時間内で具体的な行動を参加者から引き出すことができるようになります。コンセンサスを実現するための具体的行動を引き出すという会議の進め方こそ最終的な議長の役割と言えます。つまり、議長であるあなたは議題と時間を念頭に、議題に対する最適な解となるコンセンサスを取り、具体的な行動案を参加者から導き出すことができます。その最大の恩恵は、会議に参加することのできなかった人たちが議事録一つで次の行動を具体的に理解することができることにあることを忘れてはなりません。