人間関係をスムーズに 「言葉づかい」【敬語編】
- 2017/1/12
社会人たるもの、「言葉づかい」には気をつけたいもの。正しく、思いやりのある「言葉づかい」には、人間関係をよりスムーズにする力があります。ここでは、日本人でも難しい「敬語」を使いこなすコツをご紹介します。
「敬語」について、もう一度おさらい
小中学校時代の国語の時間、敬語の勉強はこんがらがって苦手だったという人は多いことでしょう。敬語とは、自分(または書き手、話し手)と相手(または読み手、聞き手)、話題に上った人との「かかわり方」や「態度」を表す言語表現。丁寧語、尊敬語、謙譲語の3つに分かれます。
◆丁寧語
相手の動作や存在に敬意を表して表現、または上品に表現する言い回し。いわゆる「ですます調」がこれに当たります。
例>言う→申します、言います
◆尊敬語
相手の動作や存在を高めることで、敬意を表す言い回し。
例>言う→おっしゃる、言われる
◆謙譲語
自分の動作や存在を低め、へりくだることで敬意を表す言い回し。
例>言う→申す、申し上げる
このあたりまでは皆さん大体、使いこなせているのではないかと思います。
間違いやすい「敬語」の使い方のコツ
仕事上の取引先の人などに対しては、自分の上司であっても、自社の社員のことを呼び捨てで「弊社の佐藤が」のように表現するということはご存じですよね。ややこしいのは、この場合、佐藤さんの行動に対しても謙譲語を使わなければならない点。「弊社の佐藤が申し上げた〜」と、自分を下げる時と同じような言い回しをするのが、ビジネスマナーとしては一般的です。間違っても「弊社の佐藤さんがおっしゃった〜」などとは言わないでくださいね。
間違いやすい「敬語」の使い方のコツ
「お名前」「ご住所」「お電話番号」など、名詞の前につけられる「お」「ご」。本来、相手の動作や所有物につけることで「尊敬語」の働きをする言い回しなので、「お名前とご住所をお書きください」などのように、相手に向けて使われています。が、よく考えてみると、「住所」は動作でも所有物でもありませんよね。「住所」に「ご」をつけるのは、厳密にいうと間違い。家自体を表す「お住まい」「お家(うち)」なら正しい表現です。とはいえ、ビジネスシーンでは丁寧であるにこしたことはないので、迷った場合は相手にかかわることである限り「お」「ご」をつけておけば失礼には当たりません。
ここからは非常に紛らわしい「お」「ご」の使い方。上記のように「尊敬語」の働きとして使うなら、自分の動作や所有物にはつけないはずですよね。ただ例外として、「ご紹介します」「お送りします」などのように、相手のために行う、なおかつ相手へ向けた自分の動作の場合はつけてもいいとされています。これは「謙譲語」の働きをする「お」「ご」の使い方です。とっさに判断がつかない場合、迷った場合は、自分の動作には「お」「ご」をつけないでおきましょう。「紹介します」「送らせていただきます」のように、自分の動作なら「お」「ご」をつけなくても相手に不快感を与えることはありません。