意外と気軽に!「能楽」鑑賞
- 2016/11/22
『能楽』って聞くと、どんなイメージを持たれるでしょうか。
「堅苦しい」
「眠そう」
「敷居が高い」
…うんうん、確かに。そういうイメージあると思います。
でも実は、結構気軽に行っても大丈夫なものなのです!!
【能楽とは】
お面をつけた役者さんや、裃姿の方たちが、舞台上で謡ったり舞ったりしながら、物語を演じられる、古典劇です。
実は「主役」はほとんど「幽霊」です。
だから能楽の舞台は、「現実」と「非現実」の境目にある、というようなイメージです。
役どころの名称はいくつかあります。
それらは「シテ方」、「ワキ方」、「囃子方」、「狂言方」というものに分かれています。
役者はそれぞれ、一つの分野のみを担当します。
「シテ方」といわれる分野の人は、主役の「シテ」を演じたり、「ツレ」や「子方」、謡の吟唱部分を斉唱する「地謡」、シテの装束の乱れを直したり、代役を勤めたりする「後見」などを担当しています。
またその役柄は、幽霊や妖怪などで、能面をかけているのが特徴的です。
「ワキ方」は、シテの相手役にあたります。「ワキ」、「ワキツレ」などと呼ばれる役柄があります。こちらは「シテ」と対照的に、「現実に生きている男性の役で登場」します。
だから面をかけることはありません。
「囃子方」は笛、小鼓、大鼓、太鼓の4種類の楽器を演奏し、それぞれの担当ごとに分かれています。
「狂言方」は「アイ」と呼ばれる役を担当します。「アイ」は、「シテ」が中入りで退場している間に語ったりします。
この能楽の起源は室町時代までさかのぼります。
観阿弥・世阿弥という人たちによって大成されました。
実は、歌舞伎よりも古く、600年以上続いている日本では最も古い芸能なんです!
【どうやって観たらいいのか】
能楽の言葉って、正直なところ、普通に聞いても全然わかりません。
そして、たぶん頑張って鑑賞していても、と~っても眠たくなると思います。
でも、それでいいんです!
そもそもが、600年以上も前に作られた言葉です。
わからないのは当然のこと。
能楽関係者の方も、「おおまかなストーリーさえ知っていれば、オペラや英語の音楽を聴く感覚でいい。
その場の空気・音・舞・衣装の美しさなどを見たり、体感してもらうだけでいいんです」と仰っています。
(参考:京都観世会館・吉田後援会能パンフレットより)
だから準備するのは、大まかなストーリーを読んでおくことだけで大丈夫。
インターネットでも、有名どころのストーリーは掲載されているので、簡単に予習できると思います。
また、当日の観覧時にパンフレットが配布されるなら、そこにあらすじが掲載されていることもあるでしょう。
お芝居や舞台を見に行くときも、少しあらすじを予習していったりしますよね。
能楽も、そんな風な感覚で大丈夫です。
料金も、内容によって1万円くらいするものもありますが、逆に、2000円くらいで鑑賞できるものもあります。
生の舞台をこの金額で観劇できるのは、かなり安いんじゃないかな、と思います!
ほかにも能楽は、舞台上にもいろいろな仕掛けが施されています。
知れば知るほど奥の深い世界です。
ぜひ一度、そんな舞台を体感してみてください。