「バブル」がなぜ発生するのか知っていますか?

  • 2015/6/1

バブルとはなにか
 日本は1991年にバブル経済が崩壊し、長期にわたる景気の低迷(失われた20年)の原因になりました。また2008年のリーマンショックの原因もアメリカの不動産バブルの崩壊でした。現在では中国の不動産バブルがいつ崩壊するかが問題になっています。この「バブル経済」とはなぜ発生するのでしょうか。

 そもそもバブルとはどういう意味かというと、土地・株式などの価格が「ファンダメンタルズ」から大きく乖離して上昇することです。ファンダメンタルズとは物価や金利などの経済の基礎的条件のことで、経済状態を表す指標で表されます。通常、土地や株式の価格は、ファンダメンタルズにそって上昇したり下落したりします。しかし、例えば不動産価格が上昇し続けるのではないか、という期待が投資家の間で膨らむことで、実際の不動産の価値よりもはるかに高い価格で取引されるようになることがあります。これがバブルです。

 そのようなファンダメンタルズから乖離した価格上昇が、永遠に続くことはあり得ません。なぜなら、土地・株式などに投資できる資金にも限りがあり、ある程度まで上昇したらそれ以上誰も購入しなくなってしまうからです。そうなるとバブルが崩壊し、土地・株式などの価格は、今度は暴落することになります。

日本でのバブル発生と崩壊
 日本でも1980年代後半にバブル経済が発生しました。これは、日銀によって積極的な金融緩和が行なわれたことが原因でした。金融緩和とは、公定歩合が引き下げられること、つまり金利が下がって企業や個人が、銀行からお金を借りやすくなるということです。そうなると、マネーサプライ=市場に出回る資金の量が増加し、いわゆる「カネ余り」の状態が発生します。この余った資金が土地や株式への投資へと向かったことでバブルが発生したのです。銀行などの金融機関も企業や個人にお金を貸し付けて、バブル経済を支えるような行動をとっていました。
グラフ
 景気の過熱を防ぐため、1989年には公定歩合が引き下げられ、また土地関連の融資に関して規制が行なわれました。これが引き金となって土地や株の価格が暴落し、バブルは崩壊、多くの企業が倒産して日本経済は長期の停滞期へと入ってしまいました。

バブルを防ぐには?
 現在の日本でも、金融緩和政策が続けられています。これは企業がお金を借りやすくし、設備投資を促すことで国内の経済を回すためです。現在は不景気であるため、金融緩和が行なわれているのですが、この政策を行なうタイミングを間違うとまた新たなバブル発生の原因となってしまいます。今のところ、バブルを必ず防げるというような政策も経済理論もありません。そのため世界の政府や中央銀行は、土地や株の値段が上昇し始めると、それがバブルなのかそれとも正しい経済成長なのかを見分けることに腐心しています。

 このような経済の基礎知識を持っていると、世の中の仕組みを知るのにとても役立ちます。これに興味をもった人は、経済の基礎的な本などで勉強してみることをおすすめします。

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