乳幼児の絵本との関わり 年齢別気をつけたいポイントと選び方 (0~3歳児編)

  • 2015/6/11
絵本を読む母と子

食事への配慮はするけれど、まだ文字も読めない赤ちゃんに“心にも栄養を”と言われても、いまいちピンとこなかった。
先輩ママや育児サークルで、絵本を薦められ本屋さんに向かったら圧倒的な量、多種多様な絵本たち。

どれをどう選んだらいいの?と迷うママも多いのでは?

今回は乳児と親しむ絵本の選び方、そのポイントをまとめてみました。

■0歳・・・感じる絵本期
絵のコントラストや色彩、身近な大人の声から受けるイメージが大切です。
音の気持ちよいもの。
読んでいるほうも楽しい気持ちになる絵本を選ぶと声色となって赤ちゃんに伝わり安心感が伝えられるでしょう。
少し前まで一心同体だったママの声が赤ちゃんは何よりも好きです。
この頃の時間を“神秘的な時間”と呼び貴重な時間となっていくことでしょう。
“感じる絵本期”は母と子の一人称の時期です。

■1歳・・・共感する絵本期
1歳になると子どもは好奇心のかたまり。
立ったり歩いたり、生活の様々なことに興味が向かいます。
あいさつや一日の流れなど、実体験をともなった、身近な題材知っている動物や食べ物の絵を指さしたりと、“共感”の時期が始まります。
また、くり返し、を好むのもこの頃です。
読み手との一体感を感じながら母と子がふたつの一人称になっていく時期です。

■2歳・・・共感を深める絵本期
2歳頃からストーリー性のある内容を理解し、楽しむようになってきます。
想像力が発達し、架空の場所や、登場人物を感じ取るようになります。
対象となる相手にも、感情があるということに気付いていくのです。
卒乳やトイレトレーニングなど、新たな挑戦に合わせた内容の絵本を選んでみるのもよいでしょう。
真似できる言葉が含まれていたりすると、会話にも影響してきます。
言葉に対する興味も盛んですから、夫婦間での会話にも気を付けたいものです。
また、好みがはっきりしてくるので、絵本選びにも参加してもらってください。
このように二人称が定着してくる時期といえます。

■3歳・・・抽象や想像力の幅が広がる疑似体験の絵本期
幼稚園に入る前の生活の仕上げ期となります。
保護者と離れて、集団生活がはじまる準備期でもありますが、この時間違っても準備、練習とばかりに突き放してしまわないでください。
例えばお友達とけんかをしてしまったり、サンタクロースを思い浮かべたり絵本の中の他者に起こる出来事を疑似体験する時期といえます。
また、複数の登場人物同士の関わりを把握することが出来るようになってきます。
これまでと違う点としては自分とは違う性格(勇敢である、弱虫であるといった)や体験を描いた絵本にも興味を持つようになるという点です。
見たことのない砂漠や海の底、外国のお話にも喜びます。
登場人物になりきって、ドキドキはらはらしたり失敗を自分の事のように残念がったりと、自分以外の人間の(時に動物であったり、擬人化した乗り物であったり)心の動きを見つめることが出来るようになります。
普段は使わないような言葉、服装、習慣などを垣間見て絵を覗き込んだりします。
そのそばには、ママをはじめとした信頼で結ばれた大人がいることで、どんな冒険にだって挑めたりするのです。
~は頑張ったね。
~は悔しかったね。
などといった、感じた事を伝えてくれたりもするでしょう。
それがたとえ、拙く、少々の捉え違いがあったとしても否定せず(正解を先回りせず)、「~くん(ちゃん)はそう思ったんだね。」と気長に付き合っていくのです。
尊重される、気持ちを聞いてもらえるという安心感に満ちた体験が心がちゃんと育っていく栄養素となっていくのです。
ここで、ひとつ頭の片隅にとどめておいていただきたい事柄があるのです。
それは、“決して、文字の習得を急がないでください”ということです。
乳幼児の早期教育への流行からか、あるいは文字を読めるというひとつのステップを踏む事を早く見届けたい安心への渇望からか、ついついそれを促しがちになる気持ちはわかります。
しかも、この頃の絵本には絵、のみならずひらがな、で書かれたたくさんの文字が登場してくる頃ですからなおさらです。
そうすれば、大人がどんなに忙しくても子ども自身が読みたいときに読みたい絵本を、いつでも開く事ができるわけで子どもにとってもきっとよいことだと錯覚をしがちです。
パパやママ、時にはおじいさんやおばあさんに読み聞かせをしてもらっている時間との一番大きな違いは“耳を澄ます”という行為でしょう。
他人の話を聞く、という動作を自然な事として体得していくこと、それは自然災害を始めとした緊急時やかくれんぼなどの群れ遊びの際にも大きな役割を果たしていくのです。
文字の習得を急ぐことはありません。それは、“聞く”“耳を傾ける”といった時に社会性や生命にも関わる大事な体験なのです。
三人称へと育まれたらいよいよ幼稚園への準備が整ったと喜んでよいのではないでしょうか。

今回は0歳~3歳の乳幼児を対象にした絵本選びのポイントを幾つかあげてみました。
数多ある絵本を前に、戸惑うこともあるかも知れません。
そんな時、基準のひとつに、今の我が子の心が今現在何人称でいるのか
思い浮かべてみると(時には本人が選んでくることでしょう)心の成長にマッチした絵本に、きっと巡り合えるでしょう。

絵本を選ぶ時間。
我が子の今の心の在り方を、その状態を父や母が、じっくり見つめようとするからこそ実践されるその目に見えない愛情を受けた子ども達のなんと幸せなことか。

心の栄養は見えないところに培われるのでしょうね。

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