男くさい世界にハマってみる!? ハードボイルド・ミステリ小説7選

  • 2015/7/22

ハードボイルドという言葉も最近はすっかり聞かなくなりましたが、あらためてハードボイルド小説を読んでみると、その男くさい世界にハマってしまいます。

古典的な名作から比較的新しいものまで、本場アメリカのものと日本のものからハードボイルド・ミステリ小説を7冊選んでみました。

 

【八百万の死にざま】

ローレンス・ブロック著。田口俊樹訳。1982年。
マット・スカダーというアルコール依存症の探偵が活躍するシリーズの5作目にして、シリーズがひとつの頂点に達した一冊です。
過去に傷つき、アルコールに溺れ、自分自身と葛藤し、ボロボロになりながらも執念で事件を解決する、心優しき探偵の物語です。
舞台であるニューヨークの描写がすばらしく、そこに生きる人々の孤独が鮮やかに描き出されています。

 

【さらば甘き口づけ】

ジェイムズ・クラムリー著。小泉喜美子訳。1978年。
こちらも酔いどれ探偵が活躍するハードボイルドですが、その捜査はかなりメチャクチャです。現代の警察もののようにマジメに捜査したりはしません。あちらにいってこちらにいってひたすら酔いどれているのですが、傷を負った心が切なく描き出されていきます。
ファイアボール・ロバーツという酒飲みのブルドッグがなんともいい味を出しています。

 

【長いお別れ】

レイモンド・チャンドラー著。清水俊二訳。1953年。
言わずと知れたホードボイルドの金字塔です。
私立探偵フィリップ・マーロウが活躍するシリーズの6作目にして、ハードボイルド史上の最高傑作として不動の人気を誇る一冊です。
1973年にロバート・アルトマンによって映画化され、日本でもNHKによって浅野忠信主演でドラマ化されました。
「長いお別れ」は「ロング・グッドバイ」というタイトルの村上春樹訳バージョンもあります。そちらのほうが訳としては完訳らしいです。

 

【俺たちの日】

ジョージ・P・ペレケーノス著。佐藤耕士訳。1996年。
書かれたのは比較的新しいですが、舞台は1940年代~50年代のワシントンDCです。
これは探偵ものではなく、家族や友情という自分にとって大切なものと男としての誇りを守るためにギャングと戦うギリシア系移民の物語です。
著者のジョージ・P・ペレケーノス自身がギリシア系で、ワシントンDCを舞台にしたギリシア系移民のシリーズとギリシア系探偵が活躍するシリーズを何作も書いています。
音楽や映画といったサブカルチャーのマニアックな記述が多く、かなりカルト的な要素が強いですが、本物の男を感じられる一冊です。

 

【新宿鮫】

大沢在昌著。1990年。
大沢在昌自身のハードボイルドの頂点として「氷の森」を発表したものの、それほど評価されず、開き直って単純に面白そうな小説、つまり、はみ出し者のヒーローが悪を倒す、そこにヒロインもいる、という話をヤケクソ的なノリで書いたのが「新宿鮫」らしいです。
結果は大当たりでしたね。
シリーズはすでに10作も出ており、評価も高いです。

 

【探偵物語】

小鷹信光著。1979年。
松田優作主演のドラマ「探偵物語」の原案ですが、ドラマのようなコメディタッチではなく、シリアスなハードボイルド小説です。
著者の小鷹信光はアメリカ・ミステリの翻訳家、研究者としても知られる第一人者で、これが日本のミステリかと驚いてしまうほど本格的な内容です。

 

【黄金を抱いて翔べ】

高村薫著。1990年。
日本推理サスペンス大賞を受賞した高村薫のデビュー作です。女性が書いたとにわかには信じられない男くさい内容というか、思考回路がふつうに男なのでは? とさえ思ってしまいます。
2012年に井筒和幸監督で映画化されていますので、そちらを観たという方も多いと思いますが、本家の小説のほうで黄金収奪の野望に燃える男たちの汗くさい世界を味わってみるのはいかがでしょうか。

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