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アメリカの男性の家庭や子育てへの関わり方
- 2017/6/30
車社会であるアメリカでは、父親が仕事帰りに同僚と一杯飲みに行ったり、一晩中上司の機嫌をとりながら飲み歩くということもありません。そんな義務や拘束がないから、仕事が終わればさっさと帰宅できるのです。帰宅後はたっぷり時間があるので子供たちと遊んであげたり、母親の家事の手伝いをします。働く女性が多いアメリカでは、父親も家事や子育てによく協力しています。
また、職場のパーティは週末にあり、家族同伴が多くパートナーや子供たちもみんなで付いていきます。家族同伴ではなくパートナーだけ同伴のこともありますが、その時は高校生のベビーシッターを雇って子供たちは家でおとなしく留守番をしています。親子といえどもプライバシーを侵害してはならないのです。
息子が小学校の時、放課後にフットボールやバスケットボールの練習をしていましたが、必ず友達のお父さん達がクラブのコーチをしていました。放課後4時からの練習に毎日父親が顔を出すのが私にはとても不思議な光景でした。こんなに早い時間に帰宅できる彼らは一体何者?自営業かしら?聞けば、父親たちは普通にエンジニアであったり、ドクターなどサラリーマンでした。彼らはうまく時間をやりくりして、毎日我が息子たちのチームのコーチをしていたのです。
スポーツだけではなく、学校行事や三者面談やボランティア活動などでも、積極的に父親の姿を見かけます。母親も父親も子供への関わりがとても大切なアメリカです。18歳になると法的に大人とみなされ、高校を卒業後はたいていの子供たちは家を出て大学の寮へ入ったり、アパートに住んだりして自立を始めるので、日本に比べ一生のうちに子供といる時間が短いということもあるでしょう。
また、たいていは家族連れで1~2週間のバケーションを楽しみます。つまり社会がそれだけ働く父親も母親も休暇をしっかりとれる仕組みになっているのです。家族と一緒に過ごす時間をとても大切にしています。それだけに家族全体がとても親密である気がします。
しかし家族は親密である中にもプライバシーは守り、赤ん坊のころから別室で寝起きをします。両親は子供が他人に迷惑をかけないように小さい頃から厳しく躾けをします。だから公共の場でも小さな紳士や淑女たちは、聞き分けがよく静かに過ごすことができるのです。気に入らないことをしても子供を頭ごなしに叱るのではなく、まず子供の言い分を受け入れ、理解しようと努めます。子供の人格を尊重し、その上で両親の意見や知恵を子供に伝えます。
陽気で大らかなアメリカ人の暮らしですが「親しき中にも礼儀あり」という言葉が生きています。アメリカンの生活ぶりを見ていると、父親はパートナーや子供との関わりを大切にしながら、家族とともに人生をとても楽しんでいます。日本社会の仕組みが、家族のために優しい余裕あるものに変わっていくといいですね。