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本場アメリカでのハロウィンとは?
- 2017/10/4
アメリカの人々は早くから10月31日のハロウィンに向けて、家の内外を飾り立てます。玄関の前にはオレンジのかぼちゃの中身をくりぬいて作ったジャック・オー・ランタンを飾り、蜘蛛の巣にはクモがうようよ、白や黒のお化けや骸骨が木からぶら下がり、地面には墓標が並び、そばには血のしたたる手首や気味の悪い頭蓋骨がころがっています。大きな海賊船が庭に作られ、そばにはおもちゃの宝石がころがり海賊たちもいます。
31日の夜には、大人も子供も赤ちゃんも犬もみんな、幽霊や魔女やいろんなものに仮装して、キャンディ用の可愛いかぼちゃバケツや袋を持ち、近所の家から家へと練り歩きます。家々の玄関の戸を叩いて「Trick or Treat! お菓子をくれなきゃいたずらするぞ~!」と言いながら、バケツや袋に山ほどのキャンディやチョコレートをもらっていきます。
大きな海賊船がある家の前には、家主が死んだ海賊のふりをしてじっと地面に横たわりみんなが来るのを待っています。子供たちがやってくると、ワ~ッと生き返ってみんなを驚かせます。その時の派手な音響効果も抜群で、大の大人でさえビビッてしまう凝りようです。家主の家族は総出で魔女や海賊になって雰囲気を出し、キャンディを配りながら皆を楽しませるわけです。
市内でもパレードがあり、子どもも大人も仮装して町を練り歩きます。図書館や市民会館では仮装コンテストやカボチャ彫りの実演があってみんなで盛り上がっています。
そもそもハロウィーンの起源は2000年以上前にさかのぼります。アイルランドやスコットランド地方にいたケルト民族の宗教儀式の一つで、秋の収穫を祝って悪霊を追い払うお祭りでした。当時の1年の終わりは10月31日で、11月1日には新年が始まりました。そこで10月31日に新年と冬を迎える行事をしたり、夜には死者の祭りを行いました。その日は死者の霊が家族に会いに来ると信じられていましたが、そのとき一緒に精霊や悪霊や魔女もついてくると信じられていました。悪霊や魔女は子供をさらったり作物や家畜に悪さをするので、家の周りをうろつく悪霊たちを驚かせて追い払おうと考えました。悪霊たちを怖がらせて退治したり、悪霊の目をくらませ自分たちの身を守るために人々は不気味な仮面をかぶったり、魔除けの焚き木を朝まで焚きました。それが仮装の始まりです。また、お祭りの後残った食べ物やお菓子は子供たちがもらって歩きました。その名残がTrick or Treat! になっています。お菓子には、悪霊や死者の魂を鎮めて元の世界に帰らせるという意味が込められていました。
現在には可愛い魔女もいますが、中世ヨーロッパでは当時「魔女狩り」が行われ処刑されていました。今でも海外には何代も続く魔女の家計もあると言われています。ハロウィーン自体は、ケルト人がアメリカに移住してきた後に始まったアメリカのお祭りです。
かぼちゃには「お守り」の意味があります。かぼちゃの提灯Jack O Lantern はその家の悪霊を追い払い守ってくれる「番犬の役目」をします。また提灯の中のロウソクの火は親族の霊がやってくるのを迎える時の「目印」になるので、ジャック・オー・ランタンは玄関の前に置きます。
日本のお盆と同様に死んだ人の霊が家族に会いに来るのですが、日本と違うのは一緒に悪霊がついてきて害をなすというところです。そして見逃せないのが、家族や周りの共同体全員で魔女やお化けに仮装して近くの家々を訪ねて悪霊を追い払ったという共同作戦がすごいですね。
現在では何も知らずに私達は仮装をして楽しんだり、コスチューム・パーティや占いや焚き木をして盛り上がりますが、そんな風習があったとは驚きですね。