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全部知っていますか?こんなにある雨の名前
- 2015/5/28
言葉は、その言葉が使われている地域の生活や文化を表しています。人々の関心のあるものや生活に密接しているものに、言葉が多く存在しているのです。たとえば、「米」です。日本語では「米」のほかに、「稲」や「飯」とも表します。しかし、英語ではすべて「rice」です。また、西洋の言葉では、動物の部位によって肉の名前が変わりますが、日本語ではすべて名前に対応できません。
日本語のなかでも、数多くの種類がある言葉が「雨」です。日本人は、自然を愛し、雨について細やかな表現をもっています。みなさんは、このなかでいくつ知っていますか?
【よく使われるもの】
通り雨…季節にかかわらず、突然降ってまもなくやんでしまう雨。
慈雨(じう)…作物に生気をもたらす雨。恵みの雨。
夕立…夏の午後や夕方に、急に降りだすが、ひとしきり降るとやむ雨。
天気雨(=狐の嫁入り)…日が照っているのに、急に雨がぱらつくこと。
五月雨(さみだれ)…陰暦5月ごろに降り続く長雨。(=梅雨)
霧雨…霧のような細かい雨。
【草花や作物の名がついた雨】
木の芽雨(このめあめ)…木の芽の出る時期に降る雨。
桜雨(さくらあめ)…桜の花の咲くころに降る雨。
麦雨(ばくう)…麦が熟するころに降る雨。(=五月雨)
若葉雨(わかばあめ)…若葉のころに降る雨。
菜種梅雨(なたねづゆ)…菜の花の咲く3月下旬から4月にかけて降り続く雨。
【比喩を使った名の雨】
車軸(しゃじく)を流す…車軸のような太い雨脚の雨が降ること。
毛雨(けあめ)…毛のように細かい雨。
糸雨(しう・いとあめ)…糸のように細い雨。
鉄砲雨(てっぽうあめ)…激しく降る弾丸のような大粒の雨。
【色のつく雨】
黒雨(こくう)…空を暗くするばかりに降る大雨。
白雨(はくう)…明るい空から降る雨。(=にわか雨)
緑雨(りょくう)(=青雨)…新緑の季節に降る雨。
雨の降る季節、雨粒の大きさ、雨の降る強さなどの違いによって、日本語ではそれぞれの雨に異なる名前をつけています。もちろん、すべて「雨」と表すことができますが、上に挙げたような言葉には、日本人独特の感性や季節感が感じられますね。天気が雨だと気分が沈みがちになってしまいますが、「今日の雨は若葉雨かな?」などと思えば、少しは雨が降るのが楽しみになるかもしれませんね。