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生理不順と腰痛と頭痛は同じ原因かも?「卵巣機能低下症」
- 2015/5/19
生理不順があれば、まず子宮や卵巣の異常を考える人は多いでしょう。でも腰痛や頭痛だったら、卵巣に問題があるかもなんて考えるでしょうか。ひどく落ち込んだりやたらイライラしたりすることが続いたら、ストレスの心配はしても卵巣の心配をするでしょうか。ところがこれらの症状はすべて「卵巣機能低下症」にあてまはるのです。
卵巣機能低下症は字のまんま、卵巣の機能が弱ってしまうことです。もっとわかりやすい別名がありますよ。「若年性更年期障害」がそれです。年齢とともに卵巣の機能は衰えていくのが普通です。最終的には閉経してその前後に更年期障害を発症することが多いです。ところが卵巣機能が下がってしまうと、20代でも30代でも更年期のような症状が出てしまうのです。
更年期障害と総称されていますが、これには特定の症状がありません。ある時は腰痛やだるさ、ある時は頭痛、ある時は頭痛や冷えのぼせなどなど、日ごとに症状がかわります。この症状の不安定さが更年期障害の特徴でもあります。卵巣機能低下症もほぼ似たような症状が起きるのです。
卵巣は女性ホルモンを分泌しています。卵巣が女性ホルモンを分泌するためには脳下垂体の指示が必要であり、脳下垂体は間脳からの指示を受けます。何らかの原因でこの3つのバランスが崩れると、女性の体は大きな打撃を受けてしまいます。3つのうちどこかがおかしくなれば、すべて卵巣に影響が出てしまうのです。
卵巣そのものに原因がある場合、考えられるのは卵巣自体の腫瘍や性病などの感染症です。甲状腺にも影響を受けますから、内分泌系の検査も必要かもしれません。脳下垂体に原因がある場合は下垂体にできた腫瘍であったり、その近くにできた腫瘍が圧迫していたり、とにかく脳内に異常がある場合になります。どちらにしても市販のお薬や生活環境の見直しだけではどうにもなりません。
問題は間脳に原因がある場合です。ここは生活習慣の影響をもろに受けます。ストレスや体の冷え、何よりダイエットが原因になるのです。過度のダイエットが生理不順の原因になることは知られていますが、結果として卵巣機能低下症におちいってしまうわけです。うまくストレスを発散しながら、バランスよく食べて体を温める、それだけでも卵巣は元気になっていきます。
生理不順や不正出血があって、あっちやこっちが日替わりで調子が悪いといった場合、病院に行くほどでもないと思うならまず基礎体温を計ってみましょう。卵巣機能が低下すると排卵がなくなってしまい、体温は低温期のみになってしまいます。ただこれは最低でも1ヶ月は計らなければわかりません。本当におかしい時はすぐに婦人科を受診するべきです。
軽いホルモン療法で治ることもあれば、漢方薬で軽快することもあるでしょう。何より難しい病気であった場合、婦人科の受診がきっかけになることも多いのです。頑張りすぎてこじらせないように、自分の体の声をよく聞いてあげてください。