ヘッジファンドとはどういうものか
- 2015/5/28
富裕層の資金を運用するのがヘッジファンド
経済関連のニュースを見ていると「ヘッジファンド」という言葉をたびたび目にします。おそらく金融機関の一種だろうと思っている人は多いと思いますが、具体的にどういうものなのか知っているのは、金融関連の業務についている人や自分で投資しているような人だけではないでしょうか。
ヘッジファンドとは、複数の富裕層や機関投資家から資金を集めて、巨額の資金を運用する機関投資家とその商品のことです。複数の投資家から資金を集めて運用するのは投資信託も同じですが、投資信託とちがうのは公募ではなく私的に資金を募ること、ヘッジファンドに資金を預けるには莫大な資産が必要であることなどです。一般的にヘッジファンドは安くても数百万から数千万、一部の富豪は数十億円もヘッジファンドに預けているとも言われています。富裕層や機関投資家を主な取引相手にしているため、一般には公開されていないことが多いです。また日本では金融庁に未登録であり、原則的に直接購入することができません。
積極的な投資姿勢と絶対的な収益追究
ヘッジファンドの運用の手法には多くの特徴があります。一番大きな特徴は、その積極的な投資姿勢でしょう。ヘッジファンドを運用しているのは有名な投資家などで、絶対的な収益を求めて、他の個人投資家や機関投資家よりも大きくリスクをとって投機的な運用をします。
例えばヘッジファンドは「空売り」という手法を用います。空売りとは巨額な資金を用いて相場を意図的に動かす手法ですが、毎日巨大な資金が動いている相場を動かすには、いくらヘッジファンドといえども資金がたりません。そこでヘッジファンドは、顧客から集めた資金を担保にしてさらに借金し、レバリッジを利かせて取引します。そのため通常なら困難な数兆円という規模で取引することもできます。これは非常に高いリスクを抱える取引手法です。
一般的な投資信託では、不況期に成績がマイナスになってもTOPIXの指標よりも成績が上ならば、良好な運用をしていると判断されます。しかしヘッジファンドはそうではありません。ヘッジファンドは不況期でも必ずプラスの収益を出す姿勢を持っています。これも他の投資家との大きな違いであると言えるでしょう。
ヘッジファンドはハイリスクか?
確かにヘッジファンドは投機的な取引をしますし、一般的にはハイリスクなものだと認識されています。しかし実はリスクを抑えるために最新の金融工学を用いていたり、巨額な資金源を元に世界中に分散投資していたりと、多様な手法でリスクヘッジしているのです。
最近ではヘッジファンドがリスクを抑えて高いリターンを得る商品だと認識されるようになり、低い価格帯でも発売されるようになりました。これからはヘッジファンドのも徐々に一般的になっていくかもしれません。