新聞や雑誌の読者室に投稿してみよう
- 2016/7/27
学校を卒業して、社会人になると「組織の歯車」の一員となり、みずからの「おもい」や、「考え方」を発言する機会は、ほとんどなくなります。そして、結婚すると、夫の親戚とのつきあい。こどもを授かると、ママ友同士の交流と、自分の生理で話せず、いつも、誰かの顔色を見て、ご機嫌を損なわないように努めるのは、並大抵ではありません。はっきりいって、フラスト・レーションが溜まりますよね。「庶務課のAさん」でも「ユキちゃんのママ」でもない、自分の名前で、自分の言葉で何かを伝えたい、それは、自然な欲求ではないでしょうか。小説を書きたいわけではないけれど、このままでは終わらせたくない感情や、言葉が次々にあふれてくる、そんな心理にかられているのなら、おもいきって、「新聞」や「雑誌」の読者室に原稿を送ってみませんか。
「新聞と雑誌の投書のちがい」
新聞社によってもことなりますが、新聞の読者欄の場合は、社会や時代に対して意見するのが中心の「オピニオン面」と、季節のうつろいや、思い出などを投稿する「生活・文化面」のふたつがメイン。それぞれ、四〇〇~六〇〇字程度で募集しています。採用されると、担当者から確認の電話がかかってきます。新聞という特性上、ペンネームではなく、本名と年齢が掲載されるため、原稿を送っているのが架空の人ではないのを確認するため、また、同じ内容の文章を、他社に送っていないかは、必ず訊かれます。そして、無事に掲載されると、五〇〇円~五〇〇〇円ほどの「図書カード」が送られてきます。ちなみに、一番高いのは「朝日新聞」〈ひととき〉。もっとも安いのは「しんぶん赤旗」〈読者室〉ではないでしょうか。
一方、雑誌は、「図書カード」のほかにも、「現金」「ギフト・カード」がいただける場合もありますが、一部例外をのぞいて、新聞より相場が低いところがほとんど。ただ、どの雑誌でもペンネームが使えます。テーマも幅広く、新聞にくらべると、コミカルな文面が好まれるようです。雑誌によっては、オリジナル料理レシピ、「わたしが嫌いなあの女」といった書きやすいお題も。なお、採用されても、事前連絡が来ないことも多く、社名入りの封筒が届いて、はじめて掲載されたのを知ったときもありました。
また、後日、投稿文を読んでくださった方から、お手紙をいただいたこともありました。仕事でも、家庭でもない、「第三の顔」をみつけてみませんか。