スカイマークはなぜ破綻したか
- 2015/5/28
スカイマークってどんな会社?
「空の革命児」と呼ばれたスカイマークですが、2014年1月28日に経営破綻を発表し、民事再生法が適用されることになりました。格安航空のパイオニアであったスカイマークが破綻した原因はどこにあるのでしょうか。
そもそもスカイマークは1998年に航空業界の規制緩和によって誕生した、新しい航空会社です。それまで国内線は大手三社による寡占状態でしたが、そこに低運賃を売りにして羽田ー福岡線の就航からスタートし、新規参入したのです。
低運賃化を成功させたのは、飲食や雑誌などの機内サービスの廃止による大幅にコスト削減でした。また燃料費や整備費が比較的少なくてすむ小型のボーイング737を使って多くの便を就航させることで、競争力を高めようとしていました。
破綻の原因は大型機導入にあった
破綻の間接的な原因となったのは国内の需要が減少したことです。ここ数年格安航空会社(LCC)が就航し、スカイマークの立ち位置が曖昧になっていました。スカイマークは低運賃を売りにしていましたが、LCCも格安を売りにしており、スカイマークは価格競争には参加しないと発表し、LCCと大手との中間的なサービスの提供を目指すことにしました。これが2012年のことです。
直接的な原因となったのは大型機の導入です。国内線の需要が伸び悩んだことで国際線に乗り出すための戦略を行なおうとして導入したのがエアバスA380です。総二階建ての大型機で、スカイマークはA380を6機購入する契約を結びました。しかしその後円安が進行して支払総額が増え、また客足が伸びず赤字運行となってしまったことで売買契約は解除されることになりました。これによってエアバスからは7億ドルという莫大な違約金を請求され、スカイマークは財政的に困窮し破綻へと進むことになってしまったのです。
民事再生法適用でどうなる?
スカイマークは民事再生法を申請し東京地裁はこれを受理しました。民事再生法を申請するとは、自社での再建が不可能になるということで、スカイマークは投資会社インテグラルから資金の支援を受けることになりました。また、民事再生法が適用されたためスカイマークは上場廃止しました。社長の西久保氏は辞任し、新たに有森正和取締役が社長に就任しました。
今後は資金の支援を受けながら運行は継続し、経営を立て直していく予定です。インテグラルは最大90億円の資金支援を行なうことを発表しており、人員面での支援や再生計画の策定でもサポートするようです。今後どのように経営を方向転換していくのか、注目されていくでしょう。