インフレ・デフレが実はよく分かってない人に解説!
- 2015/6/11
インフレとは?デフレとは?
ニュースを見ていても必ず出てくる「インフレ」「デフレ」、中高生のころに習っても、どういうことか結局分かっていない人は多いのではないでしょうか。覚えていても、それが経済に及ぼす作用までは、なかなか理解しづらいものです。
そもそもインフレとは物価が上昇し、貨幣価値が下落することです。物価が上がると、例えばこれまで100円で買えていたものが120円出さなければ買えなくなってしまいます。物の価値に対して貨幣の価値が相対的に下落しているのです。なぜ貨幣の価値が下がるのでしょうか?それは市場に出回る貨幣の量が多いからです。
デフレとは、インフレとは逆に物価が下落する現象のことです。相対的に貨幣の価値は上昇します。つまり今まで100円で買えたものが80円で買えるようになるということです。
それぞれの特徴
インフレやデフレという現象は、需要と供給のバランスが偏ることによって発生します。需要が供給よりも多くなればものの価格は上がり、需要が供給よりも少なくなれば価格は下がります。需要と供給が釣り合っている状態が理想です。
日本国内の全ての需要のことを「総需要」、全ての供給のことを「総供給」といいますが、これが完全に釣り合う状態は実際にはあり得ません。どこかで需要か供給の過剰ができてしまうのです。この需要と供給のギャップがインフレ・デフレにつながるのです。
総需要が総供給を上回った状態のことをインフレギャップといいます。総需要が大きくなっているということはつまり、消費者がもっと物が欲しい!と言っているのですが、それに対して商品の生産が追いついていない=供給不足になっているのです。品不足ですから、同じものに高い値段を払っても欲しいという人が増えて物の値段は上がります。つまり総需要>総供給になるとインフレギャップが生じて、物価が上昇するということです。
逆に総需要が総供給を下回っている状態のことをデフレギャップといいます。消費者の需要が少ないために在庫が増えて供給過剰になっている状態です。このような状態では、企業は安売りしても在庫を減らしたいために、物価は下落します。総需要<総供給になるとデフレギャップが生じて、物価が下落するということです。
貨幣量の調整
急激なインフレも急激なデフレも、その国の経済を混乱させてしまいます。インフレが起きると企業は値上げして収益を増やすことができ消費者は欲しいものが手に入るため、いいことばかりのようにも見えます。しかし需要がどこまでも増え続けることはありません。どこかで需要と供給が逆転したときに、過剰に抱えた在庫や生産設備があると、企業はそれだけ大きな打撃を受けます。そうなると経済全体にダメージが与えられ、今度はデフレスパイラルに陥ってしまいます。
そこで中央銀行は貨幣の量を調節して、急激なインフレ・デフレが発生しないように調整しているのです。これが金融政策です。市中に出回る貨幣の量を減らせば貨幣価値上昇=物価下落になりますし、貨幣の量を増やせば貨幣価値下落=物価上昇に誘導することができます。
経済の仕組みはややこしいところもありますが、知ってみると世の中の流れがよく分かるようになるでしょう。これをきっかけに勉強をはじめてみることをおすすめします。