「衆議院解散総選挙」って何のためにやったの?
- 2015/7/29
安倍政権は解散から総選挙へ
2014年12月、安倍首相は衆議院を解散し総選挙へと踏み切りました。しかし投票率は過去最低を記録し、国民の約半数はこの選挙に興味をもっていないことが明らかになりました。そもそもなぜこのようなことを行なったのか、実は分からない人も多いのではないでしょうか。今回は「解散」そして「総選挙」する意味を解説したいと思います。
衆議院解散総選挙とは
解散総選挙と言うからには解散しない選挙があります。解散しない選挙とは、任期を満了して行なう通常の選挙のことです。反対に任期を満了しないうちに行なうのが解散総選挙ですが解散総選挙とは、簡単には「選挙をやり直す」ことで民意を問い直すことを目的として行なわれます。
2014年、安倍政権は様々な政策を行ないましたが、4月に行なった消費税の8%への増税の負担が消費者に予想以上にのしかかり、考えていたように経済を浮揚させることができませんでした。それどころか、経済を停滞させたとも言われます。こうした背景から、安倍政権は予定していた10%への消費税増税の延期を発表し、安倍政権の政治を国民はどう思っているのかを判断するために解散総選挙を行ないました。
前回の選挙では、民主党の政治がひどかったために自民党の圧勝に終わりました。そのおかげで自民党は強気の政治を行なうことができていたのですが、今回の選挙ではこの政治が正しかったのが問われることになりした。
選挙の結果は何を意味するのか
結局今回の選挙でも、自民党と公明党は議席の多くを得ることができました。そのため一応は国民はアベノミクスに期待しているようだ、今後も安倍政権に政治を行なってほしいようだ、というのが国民の声だと解釈されています。しかし投票率が非常に低かったことを考えると、国民は安倍政権に期待しているというよりも、他の政党と比べて消去法で自民党、安倍政権を選んだ、ということを意味しているようにも思われます。
また消費増税の延期という判断も、国民によって肯定されたことになりますが、そもそもなぜ消費税を増税しなければならないのでしょうか。それは日本の財政赤字が拡大し続けているからです。財政赤字の拡大は社会保障制度など国民の生活にも影響するため、今のところ、増税によってなんとか政府の歳入を増大させなければならないと考えられています。そのための消費税の増税なのです。
しかし、経済が低迷しデフレの懸念もある現在の日本で消費税を増税させることにはリスクもあります。増税によって国民の消費が減退すると、企業の儲けが減って企業の活動も鈍化し、回り回って日本経済全体のさらなる低迷へとつながってしまうからです。現在の日本では消費税の増税は避けられないため、問題はそれをいつ行なうか、というタイミングにあります。
安倍政権は次回の増税時期を2017年にまでずらす考えのようですが、それまでに日本の経済を上向きにさせることができるのか、できなければ消費増税はさらに延期されるのか、今後もその政策に注目してみてはいかがでしょうか。