誰でも入れる近代文化遺産 東京・横浜のクラシックビル7選
- 2015/7/22
港町横浜、そして首都東京には、数多くの近代文化遺産があります。
そのなかからクラシックなビルのうち、赤レンガではないものを7つ選んでみました。
どの建物も外観を見学するだけでなく、中に入ることができます。
【三井本館】
日本橋にある昭和4年竣工の鉄骨鉄筋コンクリート造りのオフィスビルです。
アメリカのトローブリッジ・アンド・リヴィングストン建築事務所の設計で、ローマ風の古典とモダンを融合させた重厚な外観は、ヨーロッパの街角を思わせます。
現役のオフィスビルで1階に三井住友銀行日本橋支店があり、7階に三井記念美術館があるので、誰でも利用することができます。
国指定重要文化財です。
三井不動産 三井本館のサイト → http://www.mitsuifudosan.co.jp/project/special/honkan/
【日本銀行本店本館】
日本橋にある日銀の本店です。明治29年竣工の石積みレンガ造り。
東京駅を手掛けた辰野金吾の設計。バロックの香り漂う荘厳な建築です。上空からみると、「円」という漢字の形をしているのですが、これは通貨の番人として狙ったものなのか、偶然なのか度々話題になっています。
平日に内部を見学できますが、人数制限があり、事前に予約が必要です。
国によって重要文化財に指定されています。
日本銀行本店 見学の詳細 → https://www.boj.or.jp/about/services/kengaku.htm/
【明治生命館】
丸の内にある昭和9年竣工の鉄骨鉄筋コンクリート造りのオフィスビルです。
岡田信一郎・捷五郎兄弟設計。列柱の美しい洋風古典ビルの傑作です。戦後、GHQに接収され、対日理事会の会場になったりもしました。
現在でも使用されていて、1階には明治安田生命のお客様相談センターがあります。
土日に一般公開されていて、重厚な内部を無料で見学することができます。
国指定重要文化財です。
明治安田生命 明治生命館の案内 → http://www.meijiyasuda.co.jp/meiji_seimeikan/
【高島屋東京店】
昭和8年オープンの日本橋タカシマヤです。
ホテル建築で名高い高橋貞太郎の設計。西洋建築に和風趣味を取り入れたレトロな百貨店建築です。外観だけでなく内装も当初の豪華な造りが残されているので、クラシック建築を心ゆくまで楽しめます。もちろん手動エレベータも健在です。
百貨店なので自由に見て回れますが、見学ツアーもあるようです。
国指定重要文化財です。
日本橋タカシマヤ 重要文化財のページ → http://www.takashimaya.co.jp/tokyo/cultural_propertie/index.html
【旧横浜正金銀行本店本館】
横浜の馬車道にある明治37年竣工のレンガと石造りのネオ・バロック建築です。
明治の建築家、妻木頼黄設計。角型の柱と尖塔を載せたドームは人を寄せ付けないほど威厳に満ち満ちていますが、現在は神奈川県立歴史博物館になっているため、誰でも気軽に入れます。
馬車道周辺は歴史的な建物の宝庫であるため、レトロビル散策にもよいところです。
国によって重要文化財に指定されています。
【三越本店】
大正3年に竣工し、その後増改築されて現在の姿になった日本橋の老舗百貨店です。
横川民輔・中村伝助設計。近くにある日本橋タカシマヤと見比べてみても面白いです。
戦前の百貨店建築は細部の意匠までとても凝っているので、外観も内部も見るべきところはいくらでもあります。その内部をじっくり見て回れるところが百貨店のよいところです。
三越本店の隣には三井本館があって、その裏隣に日銀本店がありますので、セットで楽しむこともできます。
東京都選定歴史的建造物です。
日本橋三越本店 歴史紹介のページ → http://mitsukoshi.mistore.jp/store/nihombashi/history/index.html
【横浜税関本関庁舎】
横浜の大さん橋埠頭近くにある税関の建物です。
設計は吉武東里。昭和9年竣工の鉄骨鉄筋コンクリート造り。
中央に塔がそびえるモダンビルはエキゾティックなお城を思わせる外観です。
かつては横浜一高い建物だったそうです。その優雅な姿から「クイーンの塔」の愛称で親しまれています。
現役の税関ですが、資料展示室があり、一般に開放されています。
横浜市認定歴史的建造物です。
横浜税関 資料展示室の案内ページ → http://www.customs.go.jp/yokohama/museum/tenjishitsu.htm