丁寧に暮らしたい 手づくり生活ことはじめ 野草シロップを作ってみよう
- 2015/9/29
■野に生きる草花の力
誰に世話をされるわけでもなく、水すらも天候次第。野に咲く花やそこに根を張る草は、過酷な状況にも関わらず、たくましく大地に生きています。彼らは一言で言ってしまえば「雑草」なのですが、その生命力には目を見張るものがありますよね。抜いても抜いても生えてくるしぶとさも、一日で驚くほど大きくなる成長ぶりも、野菜などの他の植物とは比べ物になりません。そんな小さな草花には、それぞれにたっぷりの生命力と栄養がつまっているのです。
そんな野草には食べられるものも多くあります。ヨモギやツクシがその代表でしょうか。それら以外にも、ナズナやタンポポなど、身近な野草はほとんど食べられるのです。とはいえ実際に食べるとなると、あく抜きなどの手間がかかりますし、熱を加えればせっかくの薬効も失われてしまいます。
そこでおすすめしたいのが、野草を砂糖漬けにして、しみ出したシロップを飲む方法です。とっても簡単に作れる上、熱を加えないので、野草成分をそのまま取り入れることができます。野草だけでは流石に青臭さや苦みを感じやすいので、果物を加えたシロップの作り方をご紹介しましょう。
■野草シロップの作り方
(用意するもの)
・野草(ナズナ、ヨモギ、タンポポ、カラスノエンドウ、シロツメクサなど、匂いのきつくないものがおすすめです)…20~100グラム程度
・果物(レモンなどのかんきつ類がおすすめです)…上記の野草と合わせて300グラムになる分量
・上白糖…300グラム
・ガラス瓶、もしくはホーローの容器
★分量は目安です。野草+果物と上白糖が1:1になる分量ならOK!
★野草と果物の割合はお好みです。果物が多いほど飲みやすくなります。
★果物もお好みのもので構いません。エキスの出やすい苺もおすすめ
(作り方)
(1) 野草を摘んでしおれる前に水でよく洗い、適当にちぎる
(2) レモン類は皮をしっかり取り除いて輪切りにする(苺はへたを取って半分に切る)
(3) 容器の底に砂糖を敷く(全量の3分の1程)
(4) 砂糖の上に野草と果物の半分をのせる
(5) その上に砂糖の3分の1をまた被せる
(6) その上に残りの野草と果物をのせる
(7) 最後に残りの砂糖を被せる
8時間ほどすれば、野草と果物の水分がしみ出て砂糖が溶けてきます。手を流水で丁寧に洗い、清潔なタオルで水気を拭き取ったら、全体をよくかき混ぜます。以降も、同様に清潔な手で一日一回混ぜていると、少しずつ発酵します。1〜2週間程度で、ぶくぶくと泡が出るようになり、完成です。発酵しすぎるとアルコール化してしまうので、ご注意を。発酵させた方が野草の成分が多く溶けだしますが、混ぜるのに抵抗のある方は、砂糖が全部溶ければあとは放置しても構いません。その場合も、成分が溶け出すのを待って(2週間程度はかかります)飲むようにしてください。
野草は排気ガスや農薬などがかかっていないものを探します。お庭の雑草が一番無難です。固くなっていない、柔らかな若葉や茎を選びましょう。一般的な雑草には毒のあるものは稀ですが、使う野草に毒が含まれていないか、使用前に確認をしてください。
完成したシロップは、お好みの濃さに水で薄めて飲みます。糖分が多いので、一日に飲むシロップは大さじ1杯程度がベター。自然の恵みを生活の中に少しずつ取り入れましょう。