小説で味わう ちょっぴり異色の邪馬台国ロマン

  • 2017/1/16

「邪馬台国」
それは、昔の中国の書物に登場するまぼろしの国。
体を朱に染め、顔に刺青をほどこした人びとが暮らすふしぎな世界。
21世紀のいまも、九州にあったのか、それとも近畿なのか論争が続いています。
そして女王、卑弥呼とはいったいどんな人物なのか、きらびやかでミステリアスな歴史をモチーフにした、漫画や映画はドラマチックで波乱万丈。
そんなたくさんの「邪馬台国」や「卑弥呼」をイメージした小説の中から、読みやすくて少しだけひねりがきいた「小説」を選んでみました。

 

〈『鬼道の女王 卑弥呼』 黒岩重吾 文春文庫〉

2世紀後半、中国の倭人集団の首長・ミコトは祖国に帰還する。並外れた知恵と霊能力をもつミコトの娘、ヒミコは成長して祭祀の女王として邪馬台国に君臨していくのだが……

歴史ものを読みなれていない方でも、さくさく読みすすめることができる一冊。忠実に史実を織り込んでいるとは限りませんが、ひとつのドラマとして起伏に富んだ展開に脈が上がりっぱなしでした。

 

〈『倭の風』 加藤徹 中公文庫〉

ヒメミコが亡くなり、トヨが、張政氏の息子とともに倭の国へ帰還して、即位するまでを追う。神話や歴史のエッセンスを散りばめた幻想小説。

「京劇史」を専攻する作者の処女小説です。主人公が卑弥呼の後継者の「トヨ」という設定も新しい。
冒頭の倭の国を、中国側からの視点で追いかける展開も新鮮ですね。いたるところに、日本語の語源などのミニ知識がはさみこまれているのも、嬉しいおまけでした。

 

〈『女王』連城三紀彦 講談社〉

荻場史郎は、年齢と記憶があばこべになっていることに悩みぬき、精神科を訪れる。彼は、戦後生まれのはずだが「東京大空襲」をくっきり覚えているのだ。そして、史郎の記憶は大空襲だけではなく、「関東大震災」「南北朝時代」ついに「邪馬台国」までさかのぼる……。

濃密なタッチで男女の機微が表現されている、おとなのためのミステリーといえるでしょう。ダイナミックな発想と、限りなくファンタジーに近いリアリズムの構成は他の作家には真似ができない、独特の世界観をつむぎだしています。
うつくしく幻想的で、ちょっと翳がある連城ワールドにいったん入国すると、出国不可能なおもしろさ。

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全貌がつかめていない、古代の小さな国と女王の顔を、作家たちはくりかえし描いてきました。濃い霞につつまれた「邪馬台国」と「卑弥呼」の謎は、小説家の想像力を刺激して、豊穣な作品に結集していきます。
そんな三人三様の倭国ロマンをおたのしみくださいませ。

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