日本銀行って何してるの?日銀の役割を復習しよう
- 2015/5/28
日本銀行の3つの役割
ニュースを見ていて、日本銀行の名前を聞かない日はありません。日本銀行は日本の中央銀行であり、普通の銀行とは大きくちがうものです。しかし、どのような役割があるのかをしっかり答えられる人は少ないと思います。昔社会で習ったという人も、今回しっかりと復習してみましょう。
日本銀行、通称日銀には3つの役割があります。それは「政府の銀行」「発券銀行」「銀行の銀行」というものです。これはどういう意味なのでしょうか。
政府の銀行
日銀は国民から税金や国債という形で集めたお金を預かり、それを政府に出しています。政府はそのお金を公共投資や公務員の給料に利用しています。つまり政府のお金を管理するのが、日銀の役割の一つです。
日銀は政府から独立して設立されている特殊法人です。政府は日銀に口座を持っており、政府の資金の収入・支出はこの口座によって管理されています。このような国庫金の出納業務の他に、国債の発行・流通・償還に関する業務や外国為替市場に介入する業務なども、政府の銀行として行なっています。
発券銀行
私たちが使っているお札には「日本銀行券」と書かれています。実際、紙幣は日銀によって発行されており、日銀以外の銀行は紙幣を発行することはできません(ちなみに硬貨は国が発行しています。)。
発券銀行としての業務は、一番大きなものとして紙幣の発行がありますが、その他に傷みや汚れのひどい紙幣の回収、紙幣が偽造チェックなどもあります。また紙幣を発行することによる金融政策も日銀の大きな役割です。
金利は市中に出回っているお金に対する需要と供給の関係によって決まります。お金に対する需要が大きければ金利は上昇し、需要が小さければ金利は下落します。金利が上昇すれば企業や個人がお金を借りやすくなるため、投資・消費が伸び、景気がよくなりますし、金利が下落すればお金が借りにくくなり、景気にストップがかかります。流通するお金の量を日銀がコントロールすることができるため、日銀は極めて重要な金融システムの中心的な役割を果しているのです。
銀行の銀行
市中の銀行つまり日銀以外の全ての銀行は、日銀に口座をもっています。日銀は市中の銀行から預金を受け入れたり、貸し出しを行なったりすることができます。日銀はこの口座を通して資金不足の銀行に資金を供給し、金融システムを支えています。
以上日銀の役割を紹介しましたが、理解は深まったでしょうか。このような役割の大枠を知っておくと金融政策に関するニュースを見たときに、より分かりやすくなるかもしれません。日銀の役割は変わりませんが、行なわれる金融政策は社会の変化に対応して多様に変化してきています。あらたな変化に追いつくためにも、基本的な理解が欠かせません。