文化遺産になっている隅田川のレトロな橋たち
- 2015/6/18
東京のど真ん中を南北に流れる一級河川、隅田川にはユニークで美しい橋が数多く架けられています。
そんななかから国指定重要文化財や東京都選定歴史的建造物に選ばれている文化遺産の橋8つをピックアップしてみました。
上流から下流に向かって紹介していきます。
【白鬚橋】しらひげばし
荒川区と台東区の境界から墨田区に架けられた明治通りの橋です。
重厚なトラス構造をもつアーチ橋で、その姿はまるで恐竜の化石のようです。
昭和6年竣工。東京都選定歴史的建造物です。
向島側にはレトロな街並みが残り、昭和の下町を感じながら散策できます。明治通りを東向島駅に向かって進むと、向島百花園があります。
常磐線や日比谷線の南千住駅か東武線の東向島駅から歩くことができます。
【吾妻橋】あづまばし
銀座線の浅草駅から川向こうのアサヒビール本社に向かう赤い橋です。
東京スカイツリーのビュースポットであったり、橋のたもとに遊覧船の桟橋があったりで休日には多くの人で賑わう浅草観光でお馴染みの橋です。
橋の上にいると気づきませんが、川のほうから見ると、橋を支える三連の美しいアーチが見えます。
昭和6年竣工。東京都選定歴史的建造物です。
【駒形橋】こまがたばし
都営浅草線の浅草駅を出てすぐのところに架かっている水色のアーチ橋です。
吾妻橋の200mほど下流に架けられています。
こちらも美しい3連のアーチ橋ですが、左右は橋の下にアーチがあり、中央部は橋の上にアーチがあります。
昭和2年竣工。東京都選定歴史的建造物です。
アーチとアーチの間にある橋脚にはバルコニーがあって、隅田川の流れをのんびりと楽しむことができます。
【厩橋】うまやばし
都営大江戸線の蔵前駅から春日通りに出ると、すぐに厩橋が架けられています。
モスグリーンの三連アーチ橋です。アーチはすべて橋の上部にあって見応えがあります。
橋のあちこちに馬のレリーフがあしらわれています。
昭和4年竣工。東京都選定歴史的建造物です。
春日通りの下を大江戸線が通っていますが、上下線が輪のように広がってなぜか厩橋を迂回しています。
【蔵前橋】くらまえばし
台東区と墨田区を結ぶ蔵前橋通りにある山吹色のアーチ橋です。
橋を渡っているとわかりませんが、隅田川の川岸から見ると、吾妻橋と同じように橋の下を三連のアーチが支えています。
墨田区側に渡り、右に進むと旧安田庭園があります。その先は国技館と江戸東京博物館です。
都営浅草線の蔵前駅か、総武線の両国駅から歩けます。
昭和2年竣工。東京都選定歴史的建造物です。
【清洲橋】きよすばし
中央区と江東区を結ぶ清洲橋通りにある鋼鉄製のレトロなつり橋です。
くすんだ青色がどことなく昭和への郷愁を誘います。
関東大震災後に「震災復興の華」とうたわれたらしいです。
昭和3年竣工。国指定重要文化財です。
江東区側に渡ると、清澄庭園があり、さらに東に向かって歩くと木場公園と東京都現代美術館があります。
大江戸線、半蔵門線の清澄白河駅から歩くのがわかりやすいでしょう。
【永代橋】えいたいばし
日本橋と深川を結ぶ永代通りの永代橋です。
この橋はライトアップされた姿が美しいので、夜景がオススメです。
よく隅田川の夜景映像でライトブルーに光ったアーチ橋を見かけませんか?
それが永代橋です。
赤穂浪士が吉良上野介を討ったあと、永代橋を渡って泉岳寺に向かったそうです。
また1804年、深川にある富岡八幡宮の祭礼につめかけた群衆の重みに耐え切れず、永代橋が落ちたということです。死者・行方不明者が1000人を超え、これは日本史上最悪の落橋事故だといわれています。
大正15年竣工。国指定重要文化財です。
東西線の門前仲町駅か茅場町駅から歩くことができます。
【勝鬨橋】かちどきばし
築地と月島を結ぶ晴海通りにある可動橋です。
隅田川でもっとも下流に架かる橋ですが、現在建設中の環状2号線の築地大橋が開通すれば、そちらが最下流の橋になります。
勝鬨橋は日本に現存する数少ない可動橋(船を通すために橋の中央が開く構造の橋のことです)ですが、跳開されることのない、開かずの可動橋となっています。
現在はライトアップされ、永代橋と並んで夜に訪れたい隅田川の橋です。
昭和15年竣工。国指定重要文化財です。
勝鬨橋へは大江戸線築地市場駅、日比谷線築地駅、大江戸線勝どき駅から歩くことができます。
また、銀座の和光の前の晴海通りを築地方面にずっと歩けば勝鬨橋に至ります。