パニック障害には音楽が効く
- 2017/5/1
強い不安感に襲われ、動悸が早くなったり吐き気などの不快症状に悩まされるパニック障害。21世紀に入り最も患者数が増えている病気のひとつであり、ヨーロッパ大陸だけで19万人の患者がいると言われています。また、パニック障害という自覚がないまま、動悸や吐き気などに苦しみ、気がついていたらなんでもなかったという症状のために、実際にパニック障害で不快な思いをした人は報告されている数以上と言われています。
とくに10代から20代の若者に多いパニック障害、一度発作に襲われるとその後あとも「このまま死ぬかもしれない」と感じた恐怖がなかなか消えず、薬物治療から始める症例が多いのが現状です。
薬物に抵抗のある人は、ヨガや瞑想などに通い心身を鍛えて、パニック障害の恐怖を克服しようとします。
強い不安感やストレスは、心理的な問題だけに起因するのでしょうか。
答えは、否、です。肉体と精神は相互に密接につながっているのですから、肉体的な不調と不安感、ストレスが連結しているのは当然のことです。
強い不安感やストレスは、体の内部で蓄積されていきます。精神はさらに緊張状態になり、SOSのサインとして胃の痛み、頭痛、動悸などの不快症状を発するようになるのです。
薬も飲みたくない、でもヨガなどに通う気力もないという人にお勧めなのが「音楽療法」。この療法を選択する人はまだまだ少ないと言われています。しかし、副作用もない「音楽療法」は、さまざまな研究でポジティブな結果を出しています。
とくに注目されているのが、英国の神経科学者たちが発表した研究結果です。
実験は、非常に難度の高いパズルを与えられストレスをためた被験者の心拍数、血圧、脳波を、音楽を聴く前とあとで測定して行われました。実験に使われた10曲はクラシックとコンテンポラリーミュージックで構成されています。
その結果、65パーセントの人が「気分が良くなった」と答えました。
最近では、癒しの音楽などのCDが生産されていますが、実際にピアノや自然の音、仏教音楽などあまり騒々しくない音楽が、不安感を沈静化させるのに役立ったという結果が出たそうです。
しかし、「心地いい」と感じる音楽は人それぞれ異なるもの。パニック生涯の経験がある人は、スマホなどに自分にとっての「癒し」の音楽をセットしておくといいかもしれませんね。
一度パニックの発作にかかると、「予期不安」という症状が現われる人もいます。
つまり、またいつどこで強力な不安感に襲われるかもしれない、と想像し、外出もままならなくなる症状のことです。この症状が蓄積していくと、鬱病を発することもあります。
パニック障害は、現代の医学でもなかなか原因が解明されない症状です。
ひとつだけわかっているのは、自分を律することが訓練で可能になった人はパニックの発作に襲われない、という事実です。
前述のように、心地よい音楽を聴いて気持ちを落ち着かせる、深呼吸などをして呼吸を整える、筋肉をリラックスさせるために軽い柔軟体操を行う、などなど。
また、普段の食生活も大事なことがわかってきました。
まず、マグネシウムの不足は不安感を増長させ不眠も誘引するため、パニック障害には天敵。マグネシウムは、豆類やナッツ類、海草に多く含まれています。
さらに、フラワーエッセンスなどは自然療法としてヨーロッパでは人気があります。
そして、近代になってパニック障害に苦しむ人が増えた理由のひとつに、デスクワークの増加があるのだそうです。体内のバランスが崩れて起こるこの症状、適度な運動を行うことでかなり改善できる、と専門家たちは発表しています。
予期不安のために外出をためらう方も多いかもしれませんが、外に出て体を動かす、新しいものに触れる、熱中するものがある、パートナーとの肉体的接触、などなどがヨーロッパでは「パニック障害克服の近道」とされているのです。
パニック障害に苦しむところまでいかなくても、ストレスで体調を崩す人はかなりの数に上ります。普段から気持ちと筋肉をリラックスさせる方法を、自分で用意しておくのは大事なことかもしれませんね。
参照元
https://goo.gl/AQEquj
https://goo.gl/uO9qDy