今世界中で商品価格が下落している原因は?

  • 2015/7/23

コモディティとは
 2014年下半期から、世界中の商品(コモディティ)価格が下落しています。それぞれの商品の価格の下落には豊作、在庫の増加など様々な原因が考えられますが、多くの商品価格が広範囲で上昇するということは、世界経済になんらかの要因があることが考えられます。

 そもそもコモディティとは、商品先物取引で取引される商品のことです。原油・ガスなどのエネルギー資源、金・プラチナなどの貴金属、小麦・どうもろこしなどの穀物、銅などの非鉄金属などのことを指します。実物資産を運用対象とした金融商品として扱われます。

原因はアメリカの引き締め政策
 2014年からすでに原油価格の急落は問題化していましたが、これはアメリカのシェール革命の影響や新興国の需要の縮小など、原油特有の要因が考えられました。しかし大豆やプラチナなどの価格も軒並み下がっているのはなぜなのでしょうか。

 一般的に、価格が下落するのは需要が供給よりも小さくなったときです。世界的に商品価格が下落しているということは、商品に対する需要が軒並み下がっているということになりますが、原因として通常考えられるのはデフレです。先進国、途上国共に景気は低迷しており、それだけ需要が少なくなり商品価格も下落しているということが考えられます。

 しかし、世界一の需要を持つアメリカは、景気の低迷から抜け出して成長軌道に乗り出しています。アメリカの需要は高まっているはずなので、それだけ商品価格が上がっていてもおかしくないのですが、ドル建ての商品価格は下落しています。ここで原因と考えられるのは、アメリカの中央銀行にあたるFRBが、量的緩和政策の終了を宣言し、金融政策を引き締めに転じたことです。金融の引き締めが行なわれると、どのようなことが起きるでしょうか。
ウォールストリート

金利上昇の4つの影響
 金融引き締めになると金利が上昇します。金利の上昇局面では、原油や鉱物などを投資コストが安いうちに採掘・増産しようとするため、これらの商品価格は下落します。また企業も金利が高くなると在庫を抱えなくなり、投資家はハイリスクな商品市場からローリスクの国債へと資金を移動させます。さらに金利上昇によって国内通貨が高くなり、自国通貨建てつまり、ドルならドル建ての商品価格は下がります。これらの複数の原因から、金利上昇→商品価格下落という結果が導かれるのです。
 
 実際には、まだ金利は上がっていませんが、上昇することは確実です。それを見越した投資家たちが上記のような行動をとり始めているため、すでに商品価格の下落が発生しているのです。少しややこしかったかもしれませんが、アメリカの金融引き締め政策が商品価格の下落につながった、ということは理解できたことと思います。今後さらに下落、もしくは今度は上昇する、ということが起きたら、その原因は何なのか自分なりに考えてみると面白いかもしれません。

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