ホラー作家・林巧さんの『ピアノ・レッスン』が素敵!
- 2016/11/4
ホラー作家で知られている林巧さんですが、皆様は『ピアノ・レッスン』という作品をご存じですか?あまり知られていないようなのですが、ホラー、恋愛、人間関係など、様々な物が詰まっていて、とても素敵な作品なんです!そこで今回は、この『ピアノ・レッスン』の素晴らしさを4つのポイントを挙げてご紹介したいと思います。
まず最初に、登場人物一人一人にしっかりとした意志が宿っており、喜怒哀楽が手に取るように感じることができるという点です。ただ紙の上に書かれているというだけでなく、しっかりとした個性を持っているので、読んでいて感情移入することができます。1人1人の言葉に重みがあり、どこか現代に生きる私たちが見習うべき点などが見つかるかもしれません。
2つ目に挙げられるオススメのポイントは、現代と戦争時代と言う過去を、物語の構成上行き来しているという点です。少々途中「あれ?」と混乱してしまうところも出てくるかもしれませんが、この過去と現在の行き来こそ、メインキャラクターであるリナの悲しい過去を詳しく、また深く物語っているように感じることができます。過去にこういうことがあったから、現代のリナはこういうことを言っているのか、という伏線のような物が描かれており、どこかドキドキ感を誘う作りとなっています。
3つ目のポイントは、ジャンルではホラーとなっている作品ですが、読んでみると音楽と純愛が主な要素であるということです。そのため、ホラーが苦手な女性もとても楽しく読むことができます。戦時中の純愛によって起きるこの物語ですが、1つ1つ問題が解決していくごとに、どこか切なく悲しい物語となっていくのがわかります。最初の「あの人は美しかった。この世のものとは思えぬほどに」という言葉からも、その儚さや切なさが感じ取れるかと思います。
最後4つ目のポイントは、ピアノ、バレエに関する情報や要素がとても多いということです。女性だと小さいころピアノを習っていた、バレエをやっていたという人は多いのではないでしょうか。そのときの懐かしい気持ちがよみがえってくる、というところも、おすすめポイントの1つです。
いかがでしたでしょうか?このようにホラー要素が強いわけではなく、感動的な人間の要が強く描かれているので、ホラーが苦手な女性でも、結構サクサクと読める作品ではないかな、と思います、ぜひ気になった方はネットでご購入してみてくださいね!