夏が旬のハーブ~バジルを身近に~
- 2015/7/28
バジル(=伊バジリコ)は古代ギリシャの“王家の薬草”として欲湯、薬に利用されるなど、古くからその効能が知られています。
イタリア料理のイメージが強いバジルですが日本でも、意外と古くからあり、江戸時代に中国から到来したシソ科の一年草です。
バジルの種子に水を含ませるとゼリー状になり、これで目に入ったゴミがとれるので“メボウキ(目箒)”という和名を持っています。
今でいう、目薬として使われていたのがうかがえます。
また、咳止めや鼻の通りをよくする効果があるといわれ口内炎、鼻炎、下痢止め、腎臓薬にも使われてきたようです。
そんな歴史をもつバジルですがジャパニーズハーブとも呼ばれる、シソの仲間となり、殺菌、抗菌作用が強く、細菌性の病気の予防効果があり、食中毒を防ぐという事にも一役かってくれています。(お弁当にもいいですね)
また、生葉をもんで擦り付けると、虫刺されや炎症に効果があります。
振り返ってちびっ子時代、よもぎやシソをすり潰して砂場で遊んだ記憶のある方も多いのではないでしょうか。
指先にあった、小さなささくれや傷、泥遊びをしたあとにも、傷口が化膿することなくいつのまにか治っていたものでした。
知らない間に、こういった自然の恵みを受けながら暮らしてきたという事に気付かされます。
その香り
その昔、嗅ぎタバコとして用いられてきたこともあるバジル。
現在でも食用のみならず、アロマテラピーの世界でも身近な存在となっています。
バジルをはじめとするハーブには特徴として、個性的な香り、があげられます。
日本薬剤師会の記事によると、バジルの香りにはガンを引きおこす活性酸素を抑える働きがある、と報告されています。
この効果を裏付けるもののひとつが民様ご存知のβ―カロチンが豊富に含有されているからだと考えられています。
β―カロチンには、ガン、動脈硬化などの疾患を引きおこす活性酸素から体を守る抗酸化作用があるからです。
和食は世界一、といわれますが(塩分の取りすぎなど、いくつかの注意点はありますが)、現代日本人の不足しやすい傾向にあるカルシウム、鉄分、マグネシウムなどが、他の野菜と比較してもかなり多く含まれているバジルなのです。
また、サポニンという成分を含有しているため、鎮咳、通経薬として使われたり、強壮剤や消化剤にも用いられてきました。
パスタやピザ、サラダ、トマトソース、シチューなどのお馴染みの料理にはもちろんのこと、和洋中、お肉にも魚介類にも相性のよい、活用できるハーブといえますね。
アロマテラピーに応用されたバジル。
これまでの流れから、その爽やかな香りは、食してもよし、嗅いでもよしの優れもの。
最後にアロマテラピーにおけるバジルの効用をご紹介します。
バジルのアロマオイルには、精神的な疲労を取り除いてくれる作用があるそうです。
メンタルの疲労とはこの場合、心のバランスのことを指すようです。
もやもやした気分を晴らし、感覚を鋭くし、集中力を高めてくれます。
夏の日差しに疲れてしまうのは、身体だけではありませんね。
興奮気味の時には気持ちの高揚を鎮め、反対に、気だるく、落ち込んだような時には気持ちを高揚させてくれるのだそうです。
精神的なバランスを取り戻せば、判断力や思考力も冴え、行動力にも繋がってきます。
混乱した頭の中が冷静さを取り戻すのです。
また、筋肉痛を改善したり、胃腸の小さな傷を修復するのを助けたり、にきびなどのお肌のトラブルにも効果を発揮するのですから、春から夏にかけての常備菜としてバジルをお勧めする理由はここにあります。
庭先やバルコニーなどでも栽培するのが容易なハーブですので夏場は生葉で、秋口からは乾燥してストックしておくと大変重宝します。
おまけ)
トマトの横にバジルを植えるとよく育つそうですよ。
暑い季節に、植物達の助け合いをみるようで面白い現象ですね。