「まだ始まらない恋物語」タロット占いストーリー
- 2015/8/25
今日から何話かに分けて、新しい物語を書いてゆきたいと思います。
ではよろしければお付き合いくださいね。
「え?ツンデレがどうかした?」
みほは りこが何か言ったのにぼーっとしていて、返事が遅れました。
「誰がツンデレの話なんかしたのよ。シンデレラの話よ。」
野菜ジュースをちゅーっと飲み込みながら、りこは続けました。
「シンデレラって、最初はお金持ちのお嬢さんだったのよね。
だから、ダンスだろうがテーブルマナーだろうが、なんでもご存知だったってことでしょう?
小さい頃は、貧乏でかわいそうな女の子が突然王子様に見初められるって思ったけど。
最初に素養があったっていうことなのよね。」
「あ、なるほどね~!」
「それで本当はシンデレラの父親が一番悪じゃない。なのに、お話にはこれっぽっちもでてこないのよ~!ずるくない?」
「あはは、そーいえばそうね。」
りこはどうやら王子様のことが気になるらしいのでした。
「うちの課の王子様は、風邪ひいたらしいね。」
りこは思わずじっとみほを見つめて言いました。
「風邪、誰がうつしたか、知ってる?隣のお局様よ!ほんと、もう許せないわ!」
会社の昼休み、ふたりでランチはいつものことなのですが、りこは今日は王子様が欠勤で悲しいという事なのです。
みほは王子様には気が無いので、悲しくは無いのですが。
「みほはあの人とはどうなの?少しは進展した?」
「ううん。だって出張してるし。」
「遠いところなんだってね?何年?」
「2年。」
「そうなの、辛いね~!」
「そうでもないかも。でも最近メールどんなこと書けばいいか、わからなくなってて。」
「あるある~!」
「りこも、いつになったら告白するのよ?」
「え・・・それは・・・」
「片思い、もう何ヶ月だっけ?」
「・・・だって、王子様、痩せた可愛い人がす、すきだって・・・」
りこは見た目がぽっちゃりだから、消極的になっていたのです。
「誰情報?」
「本人。なんか女子が聞いたらしい・・・」
みほはああ、あの時ねと気がついたのでした。
「それって、昔付き合ってた女の子のことでしょう?合コンで知り合ったとか?でも何年も前じゃない!」
「・・・比べられたくないんだもん。」
「それで、そんなにダイエットしてるんだ。」
「そう。だからちょっと甘いものが辛いというか・・・」
みほは何気なく言ってみました。
「王子様に、好みの女性のタイプ、聞いてみようか?」
えっ?!と、りこはみほを見て、固まってしまいました。
「だって、気になるんでしょ?」
「そうだけど~!!きゃ~!もし私がアウトだったら、もう立ち直れない~!」
「もしも、私が王子様から聞けたら、りこ、私に男性はどんなメールだったら嬉しいか、調べてきてよ。それならいいでしょ?」
なんだか、王子様の好みの女性はだあれ?という書面を捧げ持って、シンデレラの友人は友の為に頑張るのでした・・・っていうお話になっていくようです。
果たして、結果はどうなるのでしょうか?
・・・・・続く・・・・・
(このお話は、全てフィクションであり、実在の人物・団体等のことではございません。)