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「恋心は忙しい?」タロット占いストーリー
- 2015/5/12
様々な環境、それぞれの人生、多様な価値観、広がる希望、狭くなる関係・・・
占いの世界から見える物語。どんな男女が織り成す恋のお話が、あなたには興味あるでしょうか。
一話完結のショートストーリーをどうぞ。
「男性は気軽でいいわね。だって美容室とか洋服とか考えないでしょ?」
デートの話から、突然彼への不満をぶつけ始めたSさん。彼女は今僕が髪の毛をセットしていて、その様子をじっと見ながら文句を言っているのだ。
「そうですね、女性は準備に時間、かかりますもんね。」僕は相槌をうつけど、ちょっと気分がブルーになった。「でも、気分がアゲアゲになれる時間ですよね?いいじゃないですか、男性よりそういう楽しみが先にあるのですから。」僕には彼女がいる。なんとなく今の自分に言われているような感じがした。
「うん、だからあなたに不満があるんじゃないのよ?思ったようにセットしてくれるから感謝してるわ。でもね、彼、私の姿に何にも言ってくれないのよ!」
「いつも綺麗にしてるから、いいじゃないですか。」「でもね~~~!!髪の毛切っても新しい靴でもなんにも言ってくれないの。」僕はこういう会話を回避する方法をとった。
「男って、駄目出しするものなんですよ?駄目出しされないってことは、本当は凄いと思いますけど。」
「え・・・?本当?じゃあ、興味がないっていうのと違うの?」「違いますね。」
そういうと、さっと鏡で後の方も見えるように椅子を回した。
「Sさん、今日は先に彼を褒めてあげたらいかがですか?」彼女はふふっと笑った。
「やっぱり、上手いわね。あなたの言う通りかもしれないわ。」
ありがとうございました~とスタッフが皆で声をかける。彼女は急いで駅へと向かっていった。
「あのう・・・先輩、ああいう会話って多いですよね。女子だと彼氏のいいところとか聞いてあげるんですけど、どうして男性スタッフにだと女性は彼氏の不満言うんでしょう?」
後輩の女性が聞いてきた。「う~~ん・・・僕に聞かないでくれる?きっと僕だといじめやすいんじゃないかな?」「あはは!まさか~~~!」「まあ、男に対する不満なんだろうな。でも僕、男代表じゃないし。」「あははは!そうですよね!!」
仕事が終わり、僕は彼女が待つファミレスに急いだ。
「疲れた~~~~~!!」「おつかれ~~~~!!ねえ何食べる?」「なんでもいい。」
「うわ・・・困りましたね~!本日のお勧め、でもいい?」「いい、いい。」
ぐったりしている僕に慣れているからか、適当に相手をしてくれる彼女。
僕は久しぶりにちょっと聞いてみたくなった。
「なあ・・・僕ってなんでも聞いてくれそうな感じに見える?」「うん、付き合う前ね、そう思ったよ。」「・・・・・・・そうなんだ・・・」力が抜けた。
「女性は大変だよねって言われて、凄く気持ちが楽になったから。・・・あれ?寝ちゃったの?だめだよ、こんなところで・・・」
占いの世界では男性も女性も大変さに変わりはないのですが、お付き合いしている方がいる女性は、多かれ少なかれ男性に不満を持つようです。よく伺うと、最初の頃はもっと熱心だったということらしいですが、日常と非日常の境でドキドキしていたのが、徐々に日常に変わってしまっただけで、それはどうしても通る道ですね。心がいったりきたりで忙しいのでしょう。女性の方々、恋愛では様々な努力が、かならずしも理解されるとは限らないようです。見えないところで努力するのは、素晴らしいと思いますが。