ダイエットにも生かせる、腸内フローラってなに?
- 2016/12/21
「食べた分だけ体重が増えてしまう」と感じている人に朗報です。
同じ量の食事を取ったのに、体重が増える人と変わらない人がいる原因が腸内フローラにあるということが、最近の研究でわかってきました。
人間の腸内には、様々な種類の腸内細菌が、種類ごとにまとまり、コロニーを作って腸の壁面にびっしりと生息しているのです。
その数なんと100兆個以上。その様子がまるでお花畑(フローラ)のようなので、腸内フローラと呼ばれています。
1. 大切なのは腸内細菌のバランス
腸内の100兆個の細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類に分類されます。日和見菌とは、善玉菌が増えれば善玉の味方をして、悪玉菌が増えれば悪玉の味方をして働く、というどっちつがずの菌なのです。
腸内細菌の全体総数は決まっています。一般的に健康な人の場合、善玉菌2、悪玉菌1、日和見菌7という割合で生息しているそう。
同じ食事をとっても体重が変わらない人の腸内は、善玉菌が多いとのこと。
この7割の日和見菌を善玉の味方にするように、腸内を整えれば、食べても太らない体に近づけるのです。
ただ、悪玉菌というのも、人間の体には絶対に必要なもの。
まったく無くなってしまっても、増えすぎても問題になるので、腸内細菌のバランスを整えて、きれいなお花畑をつくろうというのが腸内フローラの考え方です。
2. 腸内細菌のバランスは食事やストレスなどによって変化する
人間の腸の中の細菌は、赤ん坊のときにだいたい決まってしまうのです。
母親の胎内にいるときは、無菌なのですが、生まれてすぐ大腸菌などの様々な悪玉菌が体内に入ってきます。
大腸菌も人間の体内に絶対に必要な菌です。むやみに無菌状態にしていると、免疫力が低くなってしまうので、悪玉菌もある程度は必要です。
赤ちゃんがおもちゃを舐めていると「汚くないかしら」と神経質になりがちですが、少しであれば必要なことだったのですね。
その後、母親の母乳などからビィフィズス菌などの善玉菌を摂取し、離乳食が始まると食事からさまざまな細菌が入ってきて、その頃に腸内フローラのバランスが決まってしまいます。
赤ちゃんの便は善玉菌が圧倒的に多いので、あまりにおわないのですが、年齢とともに悪玉菌の方が多くなってきて、便も臭くなってきます。
便が臭いなと感じたら、悪玉菌が増えているのです。
悪玉菌が増えるすぎると、腸内の食べ物を腐らせたり、有害物質を作ったりして体調にも変化をもたらします。また、善玉菌の働きが弱まり、取った食事が分解されないので、全部体に吸収され体重が増加するという悪循環になってしまいます。
便秘症の人は、悪玉菌が増えている可能性が高いです。悪玉菌は、暴飲暴食をして偏った食事をとり続けたり、過労でストレスをためたり、運動不足などでも増えてしまいます。
では、どうやって善玉菌を増やせばよいのでしょうか。
3. 善玉菌を増やす食事をとる
善玉菌は、オリゴ糖と食物繊維が大好物。
玄米や野菜、果物を食べると善玉菌のエサとなるオリゴ糖と食物繊維が増えます。
これを善玉菌が分解して、ビタミンB、乳酸、酢酸などをつくり、腸内を酸性にして悪玉菌の増殖をおさえるのです。
腸内に善玉菌を増やす食べ物→ヨーグルト、乳製品、納豆、漬物、キムチなど
善玉菌のエサを増やす食べもの→野菜・果物・豆類など
乳酸菌やビィフィズス菌を増やす為に、ヨーグルトや乳製品はもちろんとった方がいいのですが、乳性品をとるとおなかをこわすという方は、日本古来の発酵食品である、納豆やぬかづけ、みそなどを取ると良いでしょう。
いずれも善玉菌を増やす食材です。
おススメは、ヨーグルト、納豆、バナナ。毎日食べても飽きません。
食事をバランスよくとり、腸内の善玉菌を増やして、腸内フローラを整え、快便で生活することがダイエットの第一歩と言えます。